肩の荷を下ろす

昨日で私もついに49歳となり、誕生日を祝っていただきました。湘南ケアカレッジが開校したときはまだ30代だったのですから、月日が経つのは速いものですね。この12年間、先生方と共に良い学校をつくることだけに集中して頑張ってきたつもりです。そういえば先日、八王子のハローワークに行った卒業生さんが職員の方に湘南ケアカレッジの話をしたところ、「あそこは良い学校らしいですね」と言われて嬉しかったそうです。その話を聞いて、八王子まで評判が広がっていることに、私も嬉しく誇らしく思いました。「世界観が変わる福祉教育を」提供するという理念を軸に、これからも良い学校でありつづけたいと願いますが、50歳までのあと1年、少しずつ肩の荷物を降ろしていけたらと考えています。

 

具体的なことは決めていませんが、任せる部分は他人に任せたり、自分にしかできないことを減らしていったり、これまでは365日間のうち年末年始と夏休み以外はできるだけ教室をフルに使って授業をしてきましたが、休みの日も入れていくことでしょうか。個人的には、毎朝、教室に来て、先生方や生徒さんたちと会って話をして、事務処理をして、明日以降の準備をして、授業が終わったら掃除をして帰るという日々は好きなのですが、たとえ私が長期間不在でも運営できる仕組みを、ある程度はつくっておかねばならないと思うのです。ちょうど昨年の春、足を骨折して、入院なんか到底できませんでしたし、動かず自宅で安静にすることも難しかったこともありました。その他の病気など、起こるか分からないことを考えすぎても仕方ありませんが、自分自身を取り換え可能な形にはしておくべきだと思いました。

そういえば、誕生日プレゼントとして、ひと目惚れした革のバックを買ってもらいました。とても綺麗な色、形のコンパクトなリュックサック型のバックです。これまで使っていたバックはポケットも多く、サイズも大きかったので、たくさんの荷物や小物を入れることができたのに対し、今回購入した革のバックは全体的に小さく、ポケットも3つしかありません。収納に不安はありましたが、思い切って買ってしまいました。実際に、荷物を入れ替えてみると、これまでは万が一のことを考えて備えておいた小物が入らなかったりと不便なことが出てきました。それでも何とか必要最低限の物品を収め、バックを背負ってみると、ずいぶんと軽く、快適になった感じがしました。

 

 

次々と背負い込んで、するべきことが増えていくことで充実する面もありますが、ときには何かを手放したり、取捨選択することで、もう一度、ほんとうに大切なものだけを味わうことも必要なのかもしれません。余白ができたことで、そこに新しい何かが入ってくることもあるでしょう。加えていくことよりも、減らしていくことの方が実は難しいのです。たとえばバックを変えたことで中身を見直さざるを得なかったように、ちょっとしたきっかけやタイミングで私たちは自分の人生の棚卸しをしてみると良いのではないでしょうか。