介護職員初任者研修と基礎研修、そして実務者研修の違い

先日、湘南ケアカレッジの卒業生から、「介護の求人の資格のところに介護職員基礎研修とありましたが、介護職員初任者研修とは違いますか?」という質問のメールをいただきました。皆さん、これから介護・福祉の世界に飛び込んで行く方ばかりですので、基礎研修と初任者研修の違いが分からなくて当然です。そもそも、介護・福祉の世界には、なんでこんなに漢字ばかり並べたの…という資格や研修の名称が多く、紛らわしすぎます。それを扱っている私たちがそう思うのですから、わざとこの世界に入ろうとしている人たちを混乱させようとしているとしか考えられません(笑)。

簡単に説明しておくと、介護職員基礎研修とは400時間の研修であり、この研修を修了するとサービス提供責任者になることができます。今、どこの現場もサービス提供責任者が足りないので、職員に研修を受けに行くことを促したり、基礎研修を修了している人を優先して採用したりします。もちろん介護福祉士であるに越したことはありませんが、介護福祉士を受験するまでにはまだ勤務年数が足らなくて、それでもサービス提供責任者に適任である方は、基礎研修を受けることにメリットがあるでしょう。

 

と言いつつも、もう今年の3月で介護職員基礎研修は廃止されました。併せてホームヘルパー1級講座も廃止され、介護職員実務者研修に一本化されました。これまた漢字ばかりの素敵なネーミングですね。この一本化されたことを受けて、介護職員実務者研修はホームヘルパー1級や基礎研修と同等な資格としているソースがありましたが、それは誤りです。まず研修の時間数が違います。介護職員実務者研修は全部で450時間。ホームヘルパー1級は355時間ですから、およそ95時間の開きがあります。だから、たとえホームヘルパー1級や基礎研修を修了していたとしても、実務者研修を修了したことにはなりません。

 

ここがホームヘルパー2級講座と介護職員初任者研修との関係との違いです。ホームヘルパー2級講座と介護職員初任者研修は同じ130時間ですので、資格自体は同等なものです。ホームヘルパー2級は廃止されてしまいましたが、介護職員初任者研修と同じ資格として読み替えることができます。今はまだ介護職員初任者研修よりもホームヘルパー2級の方が定着しているので、介護の求人のところにホームヘルパー2級資格保持者と書いてあることが多いと思いますが、そのうち近々、介護職員初任者研修の修了者の方が主になってくるはずです。

 

最後に、介護職員実務者研修について。介護職員実務者研修は介護福祉士になるための研修と位置づけてよいと思います。平成27年度から(平成28年1月の試験から)は、介護福祉士の受験要件として、3年間の実務経験だけではなく、実務者研修を修了していることが求められます。「3年間の実務経験」と「実務者研修修了」がセットになって、介護福祉士の受験資格が生まれ、あとは筆記試験に合格すると、国家資格である介護福祉士になれるということです。

 

さあ、湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修を修了した皆さまは、ぜひ介護・福祉の世界で経験を積んで、介護福祉士を目指してください。卒業生の皆さまが実務者研修を受けようと思う頃には、湘南ケアカレッジも実務者研修を開講しているはずです。そして、介護福祉士になった暁にはぜひとも湘南ケアカレッジに講師として戻ってきて、また新しく介護・福祉の世界に新しい一歩を踏み出してくれた方々に、この世界の楽しさや素晴らしさを伝えてくださいね。お待ちしております。