親子のように

湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」の生徒さんの年齢層は、20代、30代~40代を中心として、60~70代までと幅広いのが特徴です。これだけ年齢層に幅があると、自分の親に近い年齢の方と、または自分の子どものような年齢の方と一緒に学ぶことになります。もちろん、授業の中では年齢も性別も関係なく、共に学ぶ仲間であります。でも、それ以外の部分においては、ときには人生の大先輩として、ときには忘れかけていた情熱を思い出せてくれる若き風として、お互いに接していくことになります。そうすることで、15日間の研修が終わる頃には、まるで親子のような関係になってゆくのです。

 

先日、卒業生さんたちと会って、そんな話になりました。初日にたまたま隣に座った男性が自分の息子とほとんど同じぐらいの年齢で、それ以降はまるでわが子のように接していると、最後にはクラス全員から「お母さん」と呼ばれるようになったそうです(笑)。もちろん親子のような関係ばかりではなく、これだけ多様な人々が集まれば、家族のような関係にもなります。最初は隣に座った人、そして次第に隣の隣の人と分かり合い、気がつくとクラス全員が良い人たちだったと。クラスが終わってからまだ1ヶ月しか経っていないのに、打ち上げ、バーベキュー、そして飲み会と、もう3回も皆で集まったそうです。あっ、そういえば、クラスメイトでカップルが誕生したなんて話も聞きました。

 

このようなつながりが保てるかどうかは、優秀な幹事さんがいるかどうかにかかっている部分はありますが、ひと昔前に比べると、つながっていやすくなったのも事実です。私が今から10年以上前にホームヘルパー2級を受講したときは、まだ携帯電話の番号か携帯のメールアドレスぐらいしか連絡の手段はありませんでした。クラスが終わった後に交換しても、番号やメアドが変わってしまえばそこで連絡は途絶えてしまいがちです。そうしているうちに、ひとりふたりと仲間が減ってゆき、残念なことに、今となってはほとんど交流がありません。

 

でも、今は少し違いますよね。最近はLINEがあったり、FACEBOOKがあったりと、昔に比べるとつながりを保っておけるツールがたくさんあります。そこに誰かが働きかけなければ何も始まりませんが、それでもちょっとした動きでクラスメイトたちとつながることができるはずです。この時代の変化は大きいと思います。

 

「介護職員初任者研修」を修了したあとは、それぞれが別々の新しい道に進みます。介護・福祉の仕事にすぐ就く人もいるでしょうし、家族の介護を手伝う人もいるでしょう。地域に貢献したいとボランティアをする人もいると思います。どんな道に進むにせよ、志を同じくして集った仲間たちと、たまには再会して話したいと思う日が必ずやってくるはずです。そのときのためにも、ぜひこの縁とつながりを大切にしてもらいたいです。