「未来のまちを自分で作る!」

町田市がおくる地域力・市民力講座の第4弾ということで、「未来のまちを自分で作る!」に行ってきました。正直に言うと、行政が提供するこのような無料の講座に足を運ぶことはほとんどないのですが、今回は話者の山崎亮さんにひと目会いたいと駆けつけました(場所を間違えて本当の意味でも駆けつけました笑)。テーマはコミュニティデザイン。分かりやすく日本語に直すと町(街)づくり。山崎さんの著書は何冊か読んでおり、出演されたテレビ番組も見ました。コミュニティデザインという言葉が流行った時期があり、また私自身もコミュニティデザインに興味があった時期がありました。ただ何もしないままに歳月は流れ、いつしかコミュニティデザインに興味を失っていました。そして今回の講座のことを知り、改めてお話を直接聞いてみようと参加したのでした。

山崎さんは毎回、このような講演をするたびに、前もって準備をしてくるのではなく、その場にいる人たちの表情や反応を見て話すことを決めるそうです。実際にたずさわってきたたくさんの事例や学んできた多くの知識・知恵があるからこそのスタイルだと思います。今回は町田に近い、立川におけるコミュニティデザインの話から始まりました。

 

立川はマンガの聖地(らしい)ということで、旧市役所跡地にマンガを5万冊所蔵した「まんがぱーく」をつくりました。そこではマンガを読むだけではなく、マンガをテーマとして、コミュニティづくりを仕掛けたそうです。たとえば、「艦これ」にまつわるグッズをつくるコミュニティが発生したり、「キャプテン翼」を読んでサッカーをする子どもたちがいたりと、人と人がつながる場所としてデザインをしたということです。その他、広島の「おかんアート美術館」や「狼煙(のろし)」を上げるプロジェクトの話など、実際のコミュニティデザインの事例を生き生きと語ってくださいました。

 

今回紹介されたのは「テーマ型」の町づくりであり、もうひとつ「地縁型」のそれもあるとのことでした。「テーマ型」とは、同じ趣味や興味を共有する人たちが集まって何かをするコミュニティであるのに対し、「地縁型」とは、自治会や町内会など、地域に住む人たちが集まって一緒に何かをするコミュニティです。どちらも必要なコミュニティであり、山崎さんいわく、どちらもが上手く結びつかなければならないとのこと。教育や企業、商売、自治体、町内会など、昔はひとつの村の中で行われてたモノゴトが、今はすべて個別にバラバラになってしまっている。それぞれのコミュニティを同じ方向に揃えてつなげてゆくのがコミュニティデザインです。

 

 

最後に、グループワークが行われました。今日の講演の感想をシェアすることが題目でした。湘南ケアカレッジの研修ではたくさんグループワークを取り入れているにもかかわらず、初対面の方々といきなり話すのはこんなに緊張するものなのかと改めて感じつつ、でも話しているとお互いのことを知れてきて、安心もするし楽しくなることも分かりました。グループワークの中で、町田にはこれと言った特色がないという話になり、それに対して、相模大野に住んでいるある女性が、「町田は福祉が充実しているという印象があります」とコメントされました。町田は福祉という言葉に驚き、一般の人にとっての町田のイメージのひとつは「福祉」なのだと知りました。それならば、福祉をテーマとしたコミュニティデザインもあながち見当外れではなく、行政や自治体、町内会の人たちを巻き込みつつ、湘南ケアカレッジとして何かできることはないのだろうかと想いを馳せたのでした。こういうことは考えているだけでは意味がないので、ぜひとも実行してみたいと思います。