良きリーダー、良きフォロワー

暑い夏に始まった介護職員初任者研修の日曜日クラスが、めっきり寒くなってから無事に修了しました。日曜日クラスは週1日だけのスクーリングで、ゆっくりと時間をかけて学んでいただくことになります。その分、短期集中クラスと比べると、クラスメイトさんたちの仲も少しずつ深まってゆくようで、今回のクラスもまさにそのように仲良くなっていった印象を受けました。最終日には、打ち上げが開催され、私も顔を出してきました。私たちにとって、卒業生さんたちが研修後もつながっていてくれる以上の喜びはありません。細くてもいいので、ぜひ長くつながって行ってもらいたいと願います。

実技テストが終わった日、「お花見をしようと思っているのですが、先生方はいかがですか?」とお誘いいただきました。学校としての事情があり、先生方は飲み会等には参加できないのですが、まずは誘っていただいたこと、さらにそのような会を企画してくださっていることをありがたく思いました。「最終日に打ち上げをしたらどうですか?」と話すと、さっそく他の男性のリーダーに声を掛けてくださり、実現する運びとなりました。

 

また、研修の最後にいただいたメッセージボードも、ボードやカードの準備から飾りつけまで、たくさんのクラスメイトさんたちが協力してつくってくださったそうです。誰かが勇気を持って声を上げるだけではなく、それに共感して支えるフォロワーが出てこなければ実現しません。打ち上げの最後に、ひとり一人のお名前を挙げて、感謝の言葉を述べられていたことが印象的でした。

 

介護の学校を運営するという仕事をさせていただき、また介護の施設や事業所について見たり、聞いたりするにつけ、誰かが勇気を持って立ち上がり、どのようなビジョンや理念を持って実行するかは非常に重要だという思いを強めるようになりました。たとえば、同じ特別養護老人ホームであっても、(大げさではなく)ひとつとして同じ施設はなく、良い意味においても悪い意味においても、内容は全く異なるのです。器が同じであるのに、なぜこんなにも中身が違ってくるのか不思議に思うほど。最初に決めた方向性や日々の仕事の角度がほんのわずかでも違うだけで、長い目で見れば、それは大きな差として未来を形づくってしまうものです。

 

 

さらに言うと、正しいビジョンや理念を持って立ち上がることだけではなく、それに共感して仲間に加わってくれるサポーターの存在は非常に重要です。誰かひとりで何かが実現するわけではなく、実はサポーターがいるからこそ形になるのです。湘南ケアカレッジという学校は私が始めたかもしれませんが、これだけ素晴らしい形になったのは先生方がサポートしてくれたからです。また、ひとつの授業を取ってみても、メインの先生方が理想的な授業をするだけではなく、サポートの先生方がしっかりとフォローしてくれるからこそ素晴らしい授業になるのです。私たちはときにはリーダーとして、そしてときにはフォロワーとしての役割を全うすることで、より良い世界を実現できるのだと思います。ケアカレの卒業生さんたちは、介護の現場やその他の場所でも、良きリーダーであり、良きフォロワーでもあってもらいたいです。