厳しさの中に喜びがある

昨年末に実務者研修のクラスが軒並み終了したと思いきや、今年に入ってすぐ新年度のクラスがスタートしました。昨年は生徒さんたち全員が最高のパフォーマンスを発揮してくださり、無事に合格することができました。しっかりと練習して臨んでくださった生徒さんたち、そして熱意を持って丁寧に教えてくださった先生方に感謝します。特に実務者研修の生徒さんたちからは、「厳しさの中に、先生方の優しさや情熱が感じられ、今は達成感で一杯です」という声をたくさんいただきました。この絶妙なバランスが、湘南ケアカレッジの研修の大きな特徴なのだと改めて思います。厳しさと優しさ、真剣さと楽しさ、涙とユーモアなどなど。互いの存在があるからこそ、それぞれが一層引き立つのですね。

 

さらに介護職員初任者研修と実務者研修を比べると、初任者研修は楽しさや優しさ、実務者研修は厳しさや真剣さの比重が高いかもしれません。それぞれの研修の中に楽しさや真剣さ、優しさや厳しさが同居しているのですが、介護職員初任者研修は介護の楽しさや素晴らしさを知ってもらいたい、実務者研修はこれから介護福祉士になるべき人材を育てたいという想いを持って行っている以上、それぞれに比重の違いがあって当然ですね。もちろん、そこは湘南ケアカレッジですから、厳しさや真剣さの裏には介護や生徒さんたちに対する愛情があることを感じてもらえるはずです。褒めや認めをベースとした厳しさや真剣さということです。

 

これから介護の仕事を始める人たちにも、また介護福祉士になってプロフェッショナルとして現場を動かす人たちにも、厳しさを乗り越えてもらいたいと願います。介護の仕事に限らず、自分自身が力を身につけ、他人や社会に貢献できるようになるためには、さらに他者に対する貢献を通して自立していくためには、厳しさを避けて通ることはできません。その厳しさとは、対人関係における厳しさかもしれませんし、技術的(能力的)な厳しさかもしれません。体力的な厳しさもあれば、時間的な厳しさもあります。一気に厳しさを引き受けて階段を上がってゆく人もいれば、厳しさを小出しに味わって一歩ずつ成長する人もいます。いずれにしても、逃げても逃げても厳しさは追っかけてきますので、どんな形であれ、私たちは自分のためにも厳しさに向き合わなければいけません。

 

 

正直に言って、厳しさの真っ只中にいるときには、苦しいと感じるかもしれません。自分にできるようになるのだろうかと不安になるかもしれません。そうして厳しさに向き合って、真剣に取り組むことで初めて、ほんとうの喜びや楽しみを味わうことができる。厳しさの中に喜びや楽しみがある。そして、何よりも大切なことは、喜びや楽しみを見出したとき、一緒に喜んだり楽しんだり、褒めたり認めたりしてくれる人がいることです。私たちは生徒さんたちや卒業生さんたちにとってそのような存在でありたいですし、また介護の現場で働く人たちは、厳しさを乗り越えるだけではなく、一緒に働く仲間と喜びや楽しみを共有し、互いに褒めて認め合える人になってもらいたい。それは言葉で言うほど簡単ではなく、厳しさに負けなかった人にのみ与えられる特別な喜びなのだと思います。