アンケートには全てが詰まっている

2月短期クラスがアッという間に修了してしまいました。どちらかというと静かに始まって、静かに終わったクラスでしたが、研修の途中から飲みに行ったりと、一人ひとりのクラスメイトのつながりは強かったのではないかと感じました。その証拠として、最終日にはそれぞれのメッセージ入りの名札が付けられたエプロンを贈ってくださいました。目に見えたり、分かりやすく表に出てくる表現だけが全てではなく、人知れず喜んでいたり、楽しんでいたりすることもあるのです。ちなみに、このエプロンや名札等は全て100円ショップで揃えたそうです。キティちゃんの人形つき鉛筆も添えられていて、望月先生がとても嬉しそうにしていました。

 

最終日に書いていただいたアンケートにも、好意的な感想が添えられていました。「介護に対する見方が180度変わりました」と書いてくれた生徒さんもいて(たまに360度変わったと言う人がいて、1周回って同じ見方かよと突っ込むことがあります笑)、私が初日のオリエンテーション冒頭で話したことを覚えてくれていたことに感動しつつ、湘南ケアカレッジの想いが伝わって良かったと安心します。その他、「白紙に戻った気持ちで今後は仕事に活かしたい」、「クラスや先生方の雰囲気もとても良くて楽しく通わせていただいた」など、アンケートを読むと、この生徒さんはこのようなことを思って(考えて)いたのかと気づかされます。

 

アンケートは介護職員初任者研修全体の評価であり、先生一人ひとりにとってのフィードバックです。良い感想は素直に受け取りつつ、自分たちのしていることは間違っていないのだと確認できますし、さらに良くして行こうと思えます。悪いフィードバックがあったとしても、素直に受け入れて認めつつ、次は改善して行こうと気持ちを新たにできます。

 

私が塾の先生をしていたときは、毎回アンケートは楽しみにしつつ、反面、怖い気持ちもありました。良かれと思っていることも、生徒さんにとっては悪いと映ってしまっていることもあるかもしれないからです。他者(特に実際のお客さんやサービスの受け手側)にどう受け止められているかを知るアンケートは、客観的に自分のサービスを見る機会です。良い先生ほど、一生懸命に自分のアンケート(評価)を読んでいたことを覚えています。

 

アンケートには全てが詰まっている。たくさんのアンケートで評価をされてきた私の経験上、そう断言することができます。「授業が真面目すぎて面白くない」、「復習をもう少しやってほしい」など、先生の人となりから教え方まで、子どもはストレートに書くので傷つくこともありますが、ほとんどの場合、的確な意見であることが多いのです。大人は遠慮して言ってくれないことまで教えてくれます(笑)。

 

 

それに比べて、大人のアンケートはオブラートに包まれているため、その行間というか、裏にある思いを読み取る必要があります。「〇〇は良かったけれど、××はこうした方が良いかなと思いました」と書いてあるとすると、××の方が伝えたかったことである場合が多いのです。サラッと書かれているからこそ、そこをサラッと読み流してしまうか、それともなぜこう書いてくれたのだろうと思いを寄せるかで先生としての幅が違ってきます。石がぶつかりながら磨かれていくように、私たちも生徒さんからの声や評価を一身に受けながら、先生としてだけではなく、人としても磨かれていくのです。