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先月の七月七日、七夕の日。年々、背が高くなってゆく笹の木に生徒さんたちや先生方が短冊をつけてくれました。それぞれの願いを読んでみると、「介護福祉士に合格しますように」、「コロナがいなくなりますように」、「仕事が見つかりますように」など現実的なものが多く、ぜひとも叶いますようにと願います。

 

 

私自身も、今年は何を書こうかなと悩んだ挙句、やはりケアカレの七夕だから、いつもと同じあの願いにしようと思っていたところ、あの願いがすでにつり下げられていたのです!驚きと共に、とても嬉しく思いました。書いてくださった先生の顔を思い浮かべ、心の中で手を合わせました。ケアカレはそうした人たちの想いによって支えられて、ここまでやって来られたのです。

 

湘南ケアカレッジが開校して、今年で8年目になります。先生方と一緒に、いちからケアカレの文化やブランド(評判)を作り上げてきました。今年はコロナ禍の影響もあり、広告をほとんど出していないからこそ分かるのですが、生徒さんたちの多くは、「あそこの学校は良いよ」と知り合いの誰かに勧められて来てくれているのです。先生の授業や人柄、学校の雰囲気など、卒業生さんたちは自信を持ってケアカレを勧めやすいのだと思います。

 

そうした文化やブランドは、一朝一夕でできるものではなく、長い時間をかけてひとり一人の生徒さんたちと向き合って、積み重ねてできたものです。そしてこれからも、ケアカレを勧めてくれた卒業生さんのためにも、勧められて来てくれた新しい生徒さんのためにも、ケアカレに来て良かったと思ってもらえる学校でありたいと願います。

 

それと同時に、ここから先は、もう少し前に進まなければならないとも思いました。七夕の夜、医療的ケアの授業を終えた先生方とミーティングという名の打ち上げを行っていた中で、もしケアカレの教室を出すとして、教室長として赴任するとすればどこに行きたいか?という話題になりました。もちろん、ただそこに行きたいという希望だけではなく、その場所に介護・福祉教育の市場がなければなりません。

 

村井先生は北海道が良いと手を挙げてくれて、裕美先生は沖縄が好きだと言ってくれました。藤田先生は、現実的に錦糸町あたりは生徒さんが集まると思うと提案してくれました。私は立川あたりが次の一手かなと考えています(当初ケアカレは町田と八王子の2教室開校を予定していました)。半ば冗談ではありますが、未来に思いを馳せることは大切で、そうしたやり取りの中で、それぞれの嗜好性や人生に対する姿勢も垣間見えて面白かったです。

 

 

次の8年後のケアカレ、つまり16年目の私たちはどうなっているのでしょうか。町田校の文化やブランドはさらに積み上がっているでしょうし、初任者と実務者研修を合わせると卒業生はゆうに1万人を超しているはずです。もしかすると、新しい研修が生まれているかもしれませんし、先生方が日本各地の好きな場所で教室を構えて教えているかもしれませんし、ケアカレプロデュースの施設や事業所が立ち上がっているかもしれません。何をするにせよ、私たちは自分たちにしかできないことを、正しいやり方で行っていきたいと思います。

 

私の大好きな映画「インターステラ―」の中の名言のひとつに、「運動第3の法則。前に進むには、後ろに何かを置いていかなければならない」というセリフがあります。たしかにその通りなのですが、前に進むことで、後ろに置いていくものもありますが、一緒に付いてくるものもあるかもしれません。どのような形であれ、今から8年後には、今とは違った景色が見えることを私は願います。そうすることで、ケアカレが100年続く学校であることができるのではないでしょうか。