目の前の生徒さんたちに集中する

湘南ケアカレッジは今年で10年目を迎えました。さすがに10年目ともなると、介護職員初任者研修と実務者研修の年間のクラス数が最適な形で固まってきて、新しいことに挑戦することもなかなか難しくなってきます。上手く行ってきたからこそ、変えることが難しいというジレンマでもあります。日々、同じことを繰り返しているような気持ちになることもあるのですが、実は生徒さんたちにとっては毎日が最初の授業であり、初めての経験になります。10年経った今だからこそ思うのは、目の前にいる生徒さんたち一人ひとりに集中することが大切だということです。

 

先生方が、生徒さんたちに人と人として向き合って、大切に教えてくださっていることが、回り回って伝わってきます。回り回ってというのはいろいろな意味がありますが、卒業生さんたちが介護の現場にて、もしくは自分たちの地域の友人知人に対して、ケアカレのことを良く語ってくれて、それを聞いた人たちが新しく生徒さんとしてケアカレに来てくれて、卒業したあとはまた別の人たちに伝えてくれてというループの中にいるのを感じるのです。

先日の実務者研修のリアクションペーパーにも上のように書かれていました。今いる生徒さんたちは、何らかの形で誰かからケアカレの評判を聞いて来てくれている方がほとんどです。この良い口コミのループが逆回転してしまうと悪循環に陥ってしまいますが、今のところ10年間、好い循環になっているからこそ、こうしてケアカレは小さな学校として続けて来られているのだと思います。

 

コロナ騒動の影響もあり、ここ数年はいつも以上に生徒さんが多く、どのクラスも満席の状態が続きました。生徒さんの前借り、または先取りをしてしまったと私は考えているのですが、先に収穫しすぎて焼野原が残っているのが現状です。先月のお手紙にも書きましたが、これからしばらくは(特に初任者研修の)生徒さんが少ない状況が続くはずです。たしかケアカレが開校して3年目に、生徒さんが来なくなった時期がありました。あの時期は生徒さんを集めるために、あらゆる試行錯誤をしてみましたが、結局のところ効果があったものはひとつもなく、悪い時期はじっと我慢して待つことが最善だと学びました。

 

 

良いときも悪いときも、私たちにできることは、目の前の生徒さんたちに集中することだけです。あらゆるマーケティングの手法をケアカレの集客にも応用させてもらってはいますが、10年やってきて分かったのは、世界観が変わったと言ってもらえるような授業を提供し、目の前にいる一人ひとりを大切にすることが、新しく生徒さんを呼ぶ最善の方法です。私たちにとっては当たり前で、日々同じに思えることをコツコツやり続けることで、実は私たちには想像もつかないような大きさの好循環の輪が少しずつ大きく拡がっていっています。先生方のおかげ以外のなにものでもありません。ありがとうございます。