町田教室に潜入してみました(その2)

続いて、教室に入って左側に目を移してみましょう。こちらは実技演習の授業時に主に使うスペースです。ベッドと車いす、ポータブルトイレが並んでいます。「介護職員初任者研修」は生徒さんの人数によって使用すべきベッド等の台数が定められていますので、湘南ケアカレッジの場合は、それぞれ6台ずつを用意しております。

こうしてベッドが並んでいると壮観ですね。

 

「ホームヘルパー2級講座」のときは2~3台が基本でしたので、1ベッドにつき生徒さんが7~10名集まって実技演習をしていました。それに比べると、「介護職員初任者研修」はベッドの台数が増えたことで、4~7名で1つのベッドを使って練習することができるようになりました。教室のスペースということを考えると大変なのですが、しっかり練習するためには、この点は大きいですね。

 

次に車椅子も同じく6台。自走用と介助用など、様々な車椅子を体験してもらうために、あえて違うタイプを揃えてあります。メーカーも様々です。そして、その隣にあるのが、ポータブルトイレ。これも施設等でよく使われているタイプと在宅で使われている(ような)タイプが2種類です。

 

なぜ(ような)と書いたかというと、本来、どうしてもポータブルを使わざるをえない状況になり、自身の部屋や居室に置くとすれば、木製のものを選ぶことが多いはずです(私もそうします)。その方が家具類と調和しますし、部屋の中で違和感がないからです。ただ、教室で実技の勉強をするということを考えた場合には、木製のタイプのポータブルトイレはかなり重いのです。

 

授業の中で、どうしてもポータブルトイレを持って、ベッドの側に移動させたりする場面が多く出てきますので、女性の生徒さんが多いことも含め、木製のポータブルトイレは運びづらい。リアリティを追求すると、本物の木製のポータブルトイレをと思います。このあたりはどうしようかと私自身悩みましたが、先生方の意見も聞きつつ、最終的には、移動させるということを考えて、教室に置くものとしては、木製のポータブルトイレに見える軽いポータブルトイレを選んでみました。

 

このように、福祉物品を選ぶ際にも悩みは尽きません。実際の現場や家庭で使われているものと、授業で使いやすい(教えやすい)もののバランスを考えて、選定していかなければなりません。だからこそ、ひとつ1つの福祉物品に愛着が生まれてしまいます。その想いが生徒さんたちにも伝わることを願います。今回は主な物品の紹介にとどめ、その他、細かな福祉用具についてはまたの機会にお話しさせていただきます。