側臥位

うちで飼っているチョコ(トイプードル)の寝姿です。彼専用の寝床を用意しているのですが、しつけが悪いせいか、最近は食卓の長いすの上で寝ています。最初のうちは、うつ伏せで大人しく寝ているのですが、次第にだらしなく、こんな体勢になってしまいます。私自身、犬を飼ったのが初めてなので、犬がこんな姿勢で寝ることに驚くことから始まり、そもそも他の犬もこんな大胆な格好で寝ているのかどうか自信がありません。

介護の世界では、チョコが取っているこの体勢を「側臥位」と呼びます。横を向いて寝た姿のことです。右を向いて寝ている状態を右側臥位、左を向いて寝ている状態を左側臥位といいます。背部や腰部、臀部(おしり)に圧迫がないため、腹筋や背筋の緊張はありませんが、支持面(ものを支えている面積)が狭いため不安定となりやすい体位です。しかし、臀部を後ろに引き、「く」の時にすると安定した体位になります。

 

せっかく体位についてお話ししたので、他の体位も知っておきましょう。まずは「仰臥位」から。「仰臥位」とはあお向け、つまり上を向いて寝た姿のことです。背中を下にしているので、背臥位ともいいます。支持面が最も広く、全身の緊張が最も少なくリラックスした体位です。

 

次に、「腹臥位」はうつ伏せに寝た状態をいいます。うちのチョコはまずこの体勢で寝に入ります(ずっとこのまま犬は寝るのだと思っていました)。腹臥位は股関節拘縮を防ぐことができます。支持面も広いので安定しますが、胸部をやや圧迫するので、呼吸状態に注意が必要です。

 

そして、「半座位」は上半身を起こした状態です。そのなかで上半身を45度起こした状態のファーラー位や上半身を15~30度起こした状態のセミファーラー位などのことを半座位といいます。ファーラー位はからだが下にずれやすいので、膝下のベッドを上げたり、膝下に枕を置いたりするとからだが崩れにくくなります。

 

その他、たくさん体位の種類はありますが、それはまた介護職員初任者研修の中で実習を通してお伝えしますね。それぞれの体位のメリットやデメリットを知りつつ、介助や体位変換を行なっていけると、安全安楽な介護につながるはずです。