介護福祉士への道

介護福祉士、そして認定介護福祉士(仮称)へと続く、介護・福祉の世界におけるキャリアアップの一本化の一環として、今年4月に「介護職員初任者研修」は創設されました。湘南ケアカレッジでは、ひとりでも多くの人々に介護・福祉の世界の奥深さや研修の素晴らしさを伝えたいと思い、入り口の研修であり資格である「介護職員初任者研修」を専門的に開講していますが、生徒さんの中には、すでに3年後の介護福祉士を見据えていらっしゃる方もいます。

3年後というのは、介護福祉士を受験するために最低限必要な実務経験の年数です。介護福祉士になるためのルートは複線化していますが、ほとんどの方々が辿るであろう最もポピュラーな道として、実務経験ルートがあります。現場で3年間の勤務を経てさえいれば、実務者研修もしくは技術講習会(平成26年度まで)を受けて筆記試験に合格する、もしくは筆記試験と実技試験の両方に合格するかを選択することができます。

 

ややこしいのは、実務経験のカウントの仕方です。よく聞かれるのは、「いろいろな施設や事業所で勤務した年数(日数)を全部足すことはできるのですか?」とか、「週1、2日しか勤務していないのですが、3年間であれば大丈夫でしょうか?」という質問です。詳しいことは、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに問い合わせをしてもらっていますが、基本的には以下の規定があることをお伝えしています。

 

介護福祉士の筆記試験日までに、

 

従業期間3年(1095日)以上

かつ

従事日数540日以上

 

「かつ」というのがポイントです。たとえば従業期間が3年以上あっても、週2日のペースであれば従事日数は300日ほどにしかなりませんので、必要な実務経験を満たしていません。また、たとえば週6日勤務で従事日数が540日を超えていたとしても、従事期間が2年しかなければ、必要な実務経験として認められません。

 

いろいろな施設や事業所で勤務した年数(日数)を合計してカウントすることはできます。従業期間には産休や育休、病休などの休職期間も含まれますが、さすがに年次有給休暇、特別休暇、出張、研修等により実際に介護業務に従事しなかった日数は従事日数からは除かれますので要注意です。

 

さらに注目すべきは、1日の勤務時間は問わないということ。つまり、1日2時間の勤務でも従事日数としてカウントされるということです。賛否両論はあると思いますが、フルタイムで働いている方々ばかりの手によって、介護の世界が支えられているわけではないということですね。

 

介護福祉士になるばかりがキャリアアップではありませんが、せっかく介護・福祉の世界で仕事をするのであれば、国家資格を手に入れたいと思うのは自然な流れでしょう。介護・福祉の仕事は人の命や人生をサポートする以上、個々人のスキルアップは必須ですし、そのための様々な研修が用意されています。もちろん、湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」は、介護福祉士への道を意識して授業の内容をつくっています。自分を磨きながら、現場と向かい合う介護者をこれからも応援したていきたいと思います。