蛍光灯の秘密

昨日、私がかつて大手の介護スクールにいた時にお世話になった先生方と食事をしました。私がこの世界を大好きになるきっかけとなった敬愛すべき先生方です。湘南ケアカレッジを開講する前から相談に乗ってもらっていたりはしたのですが、こうして町田まで来てもらい、教室を見てもらうのは初めて。教室に入るなり、「わあっ、広いね~」、「なんか雰囲気いいじゃない」と褒めていただきました。私なりに、過去の経験を活かしつつ、他の業種のノウハウも取り入れて、1からつくった教室ですので、とても嬉しかったです。

さすがあらゆる教室を渡り歩いて教えてきた歴戦の先生たちだけあって、教室の細かい部分まで目が届きます。教室全体の広さとベッドの数の割合等はもちろん、講師控えスペースからバケツの色までチェックが入りました!その中でも、さすがというか凄いなと感じたのが、蛍光灯の色が違うことに気づかれたことです。今まで、たくさんの方々に教室を見てもらいましたが、そこに気がついた人はひとりもいませんでした。

 

何が違うかというと、2本組みの蛍光灯の左右の色が違うのです。右側の蛍光灯が昼白色(白)で、左側の蛍光灯が電球色(オレンジ)。決して、買い間違えてこうしているわけではなく、あえて左右に違う色の蛍光灯を入れています。なぜこのようなことをするのかというと、ちゃんと理由があります。企業秘密にしようかと思っていましたが(笑)、もし良かったら、これを読んでくれている他のスクールの関係者さまにも参考にしていただければ幸いです。

蛍光灯の色によって、部屋の雰囲気は大きく変わってきます。分かりやすく言うと、昼白色(白)は明るい感じ、電球色(オレンジ)は温かい感じ。一般の学校や教育機関、ほとんどの企業、公共施設等では昼白色(白)が使われています。蛍光灯の第一の役割は、その場所を明るくすることだからです。ただ、空間デザインまたは環境という面を考えたとき、明るさだけではなく、最近は暖かさも重要視されてきつつあります。スターバックスなどのくつろげるカフェなどは電球色(オレンジ)を中心に光をつくっていますね。そこにいるだけで、何となく落ち着く、暖かい気持ちになれるといったように、光という環境は人間の心理状態にも大きな影響を与えるからです。

 

湘南ケアカレッジでは、明るさと暖かさのバランスを取って、昼白色(白)と電球色(オレンジ)を並べています。昼白色(白)だけだと明るすぎて、いかにも学校といったイメージになってしまいますし、電球色(オレンジ)だけだと、落ち着きすぎて眠たくなるような雰囲気になってしまいます。昼白色(白)と電球色(オレンジ)を2本平行に並べることで、どちらの長所も取り入れて、明るさと暖かさを兼ね備えた光の加減が出来上がるのです。明るくて、気持ちが暖かくなり、落ち着いて勉強できる、大人が学ぶ環境として最も相応しい空間になっていると思います。