「介護職員初任者研修」が終わるとき、生徒さんにアンケートを書いてもらいます。研修に関する感想やご意見を頂戴するのですが、その中に不思議と多いのが修了後のサポートについてです。たとえばこんな声。
「資格の講座というと、ビジネスのイメージが強く、客の回転が第一というものかと思っていたけれど、修了証明書をもらった後も現場で介護の技術で分からなくなったり、悩みができたらいつでも来ていいと聞き、本当に受講して良かったと思えました」
資格の講座というのはそういうイメージを持たれていたのかという軽い驚きと(笑)、湘南ケアカレッジとしては当たり前と思っていることでも、生徒さんたちにとっては安心で心強く思っていただけるという嬉しい発見の両方がありました。
思い返してみると、たしかに湘南ケアカレッジが始まったばかりのころ、「生徒さんたちが戻ってきてくれるような学校にしたいですね」と先生たちと話していました。戻ってくるというのは、近くまで来たのでフラっと立ち寄ったり、困ったことや悩みがあって相談に来てくれたり、実際の現場に出て分からないことが出てきたときに教えてくださいって言える場所があったり、そういうあらゆる意味における戻ってきてくれるということです。
そこには、現場に出るとほとんど必ずと言ってよいほど壁にぶち当たる、という予測があるからです。この世界では少しばかり先輩である先生たちにとって、自分が通ってきた道だからこそ分かるということでもあります。
そんなとき、意外と職場の上司や同僚には相談しにくいものですよね。上司に相談すれば、ちゃんと教えたでしょ!なんて逆に怒られそうですし、同僚に打ち明けると出来ないヤツの烙印を押されてしまいそうで怖い。もちろん、家族や友人に話してみてもちゃんとした答えが返ってくることはありません。
そうなったときに、ふと湘南ケアカレッジのことを思い出してくれるとありがたいです。「そうだ京都、行こう」じゃないですけど、「そうだ湘南ケアカレッジ、行こう」と思っていただけると幸いです。実際には相談に来る前に解決してしまうことの方が多いのかもしれませんが、いざというときに相談できる、教えてもらえるという場所がある(先生がいる)ということは、どこかで心の支えになるのではないでしょうか。
ただひとつだけ、心の支えになるには条件があります。お互いに顔を知っていることです。気心が知れていることと言い換えてもよいかもしれません。多くの企業や学校がアフターサービスを謳いますが、実は私はアフターサポートといった類のものを一度も利用したことがありません。なぜかというと、お互いに顔を知らないからです。
たとえばカメラを買ったとして、アフターサポートをお願いしたいと思っても向こうの人たちの顔を知らなければ、相談するのはかなり抵抗があります。たとえば学校でも、そこの先生なりスタッフが自分のことを覚えてくれていると信じられるからこそ、ちょっと相談しに行ってみようかと思うのではないでしょうか。アフターサービスと言葉で言うのは簡単ですが、実行するのが難しいのはそれゆえです。
いつまでも生徒さんと学校がつながっていて、本当の意味で生徒さんの未来を支えることができる学校であり続けたいと思います。