介護とメモ帳の素敵な関係

クリスマスイブの日、湘南ケアカレッジにサンタクロースが舞い降りました。どこかで見たことがある先生のような気もしますが、いえいえ、本物のサンタさんです。クリスマスイブにもかかわらず学校に来てくださったことに対する感謝と、翌日の実技の確認テスト、翌々日の修了試験に向けての激励の意をこめて、サンタさんから生徒さんひとり1人にプレゼントが手渡されました。私もひとついただきましたので、中を見てみると、洋菓子とココア、そして手のひらサイズのメモ帳が入っていました。

お菓子とココアは自宅に帰ってから食べる(飲む)として、メモ帳はこれから介護の仕事をするときに使ってくださいということですね。介護職員初任者研修の中でもそうですが、生徒さんはたくさんメモを取ります。たとえば、利用者の方に入浴してもらうとして、その手順は意外と複雑です。右の手でバスボートの手すりを握ってもらい、もう片方の手で足を上げてもらい、そのあと…、という具合に。実際に先生がデモンストレーションをしながら、手順をお伝えしていきます。

 

その説明を一度聞いて、完全に覚えられる人は滅多にいないと思います。手続き記憶と言って、動作(手続き)の順番を頭で記憶して、それを実際に動作と一致させるのは至難の技です。だからこそ、メモを取ることで記録に残していく必要があるのです。メモを書くことで頭にも入れつつ、実際に体を動かしてやってみる。分からなくなったら、そのメモを見て確認し、もう一度やってみる。最後は体が覚えていくのですが、記録を残していくことがそれをサポートしてくれるのです。

 

介護の仕事をするにあたっては、最初のころは先輩からたくさんのことを教えてもらうはずです。そのとき、そうですかと聞き流すのと、さっとポケットからメモを取り出して書き留めておくのとでは、良い介護ができるようになるように成長するスピードが違ってくると思います。最近現場で働き始めた卒業生さんも教室に来てくれて、実際毎日たくさん覚えることがあって大変ですと言っていました(その卒業生さんも小さなメモを常に携帯しているそうです)。でも、今とても仕事が楽しいですと皆の前で話してくれて、私たちも嬉しかったです。

 

また、チームにおけるコミュニケーションという意味でも、記録を残しておくことはとても大切です。チームでケアをしていく上で、情報を共有するためには、文字で記録を残しておかなければなりません。もちろん口頭による申し伝えもあるにはありますが、言った言わないという事態にもつながりかねませんし、やはり口頭による伝達には限界があります。きちんと記録に残しておくことで、正確な情報が正しく伝わり、コミュニケーションが円滑になります。場面によっては、自分の身を守ることにもつながりますね。

 

さすが湘南ケアカレッジに舞い降りたサンタクロースは、介護の世界のことをよく分かっています(笑)。決して高価なものではありませんが極めて実用的なプレゼントです。介護職員初任者研修を無事に修了したら、もしよろしければ使ってもらえると嬉しいです。

 

クリスマスツリーを背景に、サンタクロースと記念撮影をさせてもらいました。念のため言っておきますが、変な学校ではありませんので、決して誤解しないでくださいね(笑)。