100年続く学校をつくる。

「介護職員初任者研修」が始まったのと機を同じくして、湘南ケアカレッジは今年の4月にスタートしました。多くの方々のサポートがあり、素晴らしきチームメンバーと運にも恵まれ、たくさんの生徒さんが集まる学校になりました。順調すぎるほど順調な1年目だったのですが、ここからが大変だと感じています。これまで色々なものを作ってきましたが、何かを始めること以上に、それを続けていくことの方が難しいからです。ですから、私は湘南ケアカレッジを始める前から、心の中でこう決めていました。

100年続く学校をつくると。

学校が存在し続けることは、誰にとっても大切です。卒業生にとっては、何か困ったことや相談ごとがあるときに足を運んだり、フラっと寄れる場所がなくなってしまうと悲しいものです。つい先日、年末の大掃除をしていると、7月短期クラスのメンバーが教室まで来てくれました。もう授業自体は12月26日で終わっていたのですが、もしかしたら誰かいるかもしれないと、教室のある4階まで階段を上がってきてくれたのです。そこにたまたま大掃除をしていた私がいて、約5ヶ月ぶりに懐かしい面々と再会を果たすことができました。

 

学校を運営していて最も嬉しいことのひとつは、卒業生が顔を出してくれることです。その成長した姿、生き生きとした姿を見せてくれるだけで、自分たちのやっていることが認めてもらえた、肯定してもらえたような気持ちになります。これも学校があり続けるからこそ、戻ってきてくれる場所があるからこそ、起こり得ることですね。これからも一人でも多くの人々に最高の福祉教育を届け、たくさんの卒業生にとっての母校となっていきたいです。

 

また、先生たちやスタッフにとって、学校は生きる場です。私たちは学校という場があって、生徒さんたちが来てくれてこそ、初めて教育を提供することができます。いくら素晴らしい授業ができるだけの知識と技術と教える力があっても、その場所が失われてしまうと何もなくなってしまいます。私はかつて大手スクールにて、2年間でおよそ15教室を増やし、半年間でおよそ10教室を閉じたことがありますので、その痛みはよく分かっているつもりです。私たちの生きる場を自らの手で奪うことが二度とないよう、学校は続けていかなければなりません。出してみて、利益が出ないから潰す、学校はそんなに簡単なものではないはずです。

 

100年続く学校をつくるためには、湘南ケアカレッジを始めるときに決めた3つのルールを守り続ける必要があります。

 

ひとつは、「いただきすぎない」。お金を儲けるために学校をやっているわけではなく、学校を続けるためには利益は出さなければならなりません。そのバランスを考えた上で、自分の友だちに勧めて、安心して受けてもらうぐらいの受講料をいただくということです。

 

2つ目は、「大きくしない」。つまり、できるだけ教室を増やさない。衣服や雑貨、食料品のような商品とは違い、教育は量産することができません。大きくすることで質は低下し、中身のないものになっていきます。私たちがやる以上は、高い水準の教育内容を維持しつつ、気持ちの込もった研修を運営していきたいと思います。

 

最後の3つめは、「資格を売らない」。私たちは介護・福祉教育の専門校ですから、資格を売るのではなく、教育を通して、豊かな体験や知恵、そして技術を提供したいのです。学校に入って資格を取ってもらうことが目的の資格ビジネスではなく、湘南ケアカレッジに来てれた生徒さんたちの人生にどれだけ貢献できるかが私たちの目指すところです。

 

今年はいろいろとお世話になりました。

 

来年もまたよろしくお願いいたします。