工夫、健康、感動の3Kに

新しい年に入り、新しく学び始めたいという方が多く、1月短期クラスは満員で開講となりました。「介護職員初任者研修」の最初の授業は、介護に対するイメージを話し合うことからスタートします。研修が始まったばかりですので、生徒さんそれぞれの介護観は、世間一般で言われるイメージに近いものになります。その中でもよく出てくるのが3K。つまり、きつい、きたない、きけんです。この介護の3Kのイメージを、湘南ケアカレッジは変えていきます。変えると言っても無理矢理にではなく、介護の新しいの3Kに気づいてもらうのです。

 

「介護の仕事をして、3Kだと思ったことはない」と望月先生は最初の授業で言い切ります。よくある介護の3Kのうち、「きつい」は仕事が大変という意味でしょうか。肉体的にも精神的にも仕事がきつい。本当にそうでしょうか?確かに楽で仕方ないということはないでしょうが、「きつい」と感じてしまうのは、もしかしたら全てを自分でやってしまっているのではないでしょうか。利用者さんのできることはやってもらい、できないところをサポートするという介護にシフトできれば、そのきつさは少なくなるはずです。

 

「きたない」は特に排泄の介護に関してのイメージでしょうか。でも、自分で排泄したことの処理は汚くなくて、利用者さんのはきたないというのは変ですよね。人間ならば誰しもが日常的にやっていることです。また、できるかぎりオムツなどを用いることなく、自分たちと同じようにお手洗いに行ってもらえるようにしていければ、排泄の介護でサポートすることも少なくなっていくはずです。もしかしたら排泄の介助をするような状況を、自らの手で増やしてしまっているのかもしれません。

 

「きけん」は感染症や腰痛などの病気に関してのイメージでしょうか。感染症はその原因や感染防止の方法、そして万が一、感染症が広まってしまった場合の対応法についての知識があれば危険は少なくなります。同じく腰痛に関しても、正しい身体の使い方を知った上で介護に臨む、または腰痛予防の体操を普段から心がけたりすることで、腰痛のリスクは少なくなるはず。知らないことが危険なのです。

 

湘南ケアカレッジの伝えたい介護の3Kとは、「くふう(工夫)」、「けんこう(健康)」、「かんどう(感動)」です。「くふう」とは、介護者が介護の仕方をちょっと工夫することで、安心で安全な介護をすることができるようになります。また、今ここにある道具を工夫して用いることで、これまでできなかったことが簡単にできるようになることもあります。

 

次に「けんこう」は、介護者が健康でなければ良い介護はできないということ。高齢の方、特に認知症の方は感受性が鋭いので、こころもからだも健康な状態で介護をしていないと、その気持ちが伝わってしまいます。たとえ顔は笑顔でも、無理をして、嫌々介護をしていると見抜かれてしまうということです。そうならないためにも、私たち介護者は心身共に健康でなければならないのです。

 

そして、3つ目の「かんどう」は、介護の現場は感動の嵐だということ。私たちは介護の仕事を通して、誰もがたくさんの感動を与えてもらう、分けてもらうことになります。感動秘話は、ぜひ研修の中で望月先生から聞いてくださいね。私は思わず胸が詰まってしまいました。