季節の花々

湘南ケアカレッジの教室には季節の花々が飾ってあります。教室の正面に置いてあるテレビ台の下に大きな空間があり、何もないと寂しく、かといって介護物品等を収納するには相応しくないので、常に生徒さんたちの目に入って恥ずかしくないよう、花を飾ることにしました。どうしても介護の学校(教室)は机といす、ベッドやポータブルトイレなど、色合いに乏しく、無機質な空間になってしまいがちですので、花を置くことで少しでもカラフルに、美を味わってもらえる快適な環境で学んでいただけると嬉しいです。

今はカランコエが飾られていますが、過去に思い出せるだけでもポインセチア、チューリップ、ラナンキュラスなどが彩りを添えてきました。おかげさまで、花に関する知識が全くなく、結婚記念日に菊の花束を買って帰ったこともある私でも、どんな季節にどんな名の花が咲くのか少しずつ分かるようになってきました。だいたい1ヶ月に1度は花を買い替えるので、小田急フローリスト(花屋さん)の横を通るたびに、どんな花があるだろうと気になります。まさかこの年になって、花の姿形から名前が分かることに喜びを感じるなんて思いもしませんでした(笑)。

ところが、困った問題も出てきました。室内で花を育てるのは案外難しいということです。小田急フローリストで花を選んでいると、ほとんどの花の育て方のところに、「日光を好みます。できるだけ陽の当たるところで育ててください」と書いてあります。教室自体は窓も大きく、日当たりが良いのですが、さすがに生徒さんたちがまぶしいので、直射日光を入れるわけにはいきません。直射日光が入ってくる時間帯はカーテンで遮ってしまうため、テレビ台の下の花にはほとんど光が当たることはありません。そうすると、自然と花は艶(つや)や瑞々しさ(みずみずしさ)を失っていきます。

 

さらに室内温度の調整も難しいです。どうしても外が暑いと冷房を入れ、寒いと暖房を入れてしまうので、室内は人工的な温度になってしまいます。授業が終わるとエアコンは切られるので、誰もいなくなった教室は、冬は急激に寒くなり、夏は暑くなります。花にしてみれば、急に暖かくなったり寒くなったり、春になったり冬が来たりを繰り返しているような感覚でしょう。これまでで最も悲しかったのは、チューリップを買ってきて、飾った日に、暖房の暖かさで一気に花が開いて、枯れてしまったことです。それはもはや私の知っているチューリップではありませんでした。

 

やはり花は室内に飾るものではなく、外の陽の当たる場所で咲き誇るものなのですね。昨年度の反省を踏まえ、4月からはブリザードフラワーを置こうかと思っています。日光が当たらなくても問題なく、水をあげる必要もなく、短期間での劣化もありません。生花ほどの瑞々しさはないかもしれませんが、私たちの心にちょっとした彩りと潤いを与えてくれるはずです。ほぼ永遠に。教室に飾ったら紹介しますね。今朝、小田急線の窓の外に、咲き誇っている桜の木々が見えました。今週末にはお花見に行きたいと思います。