夢のような時間

先日、4月短期クラスが無事に修了試験を終えました。おかげさまで湘南ケアカレッジは2年目を迎えることができ、19期生でありながらも、また新たな気持ちでスタートしたクラスでもありました。最終日には、生徒さんたちから色紙を何と2枚もいただきました。最終日に来られなかった生徒さんがいたので空白が目立つのは愛嬌として(笑)、ひとり1人の生徒さんたちからいただいた暖かい言葉を胸に、今年度も頑張っていきます。ありがとうございました!

 

それらの言葉の中に、「夢のような時間をありがとう」と書いてくださった生徒さんがいらっしゃいました。たった15日間の研修ですが、そう思ってもらえるように取り組んでいますので、とても嬉しい褒め言葉です。そして、今から15年ほど前に介護職員初任者研修(当時のホームヘルパー2級講座)を受けたことのある身からしても、「夢のような時間」という気持ちはよく分かります。受けたことがない方は大げさだと思うかもしれませんが、受けたことのある私にとっては大げさではないのです。

 

なぜ夢のような時間に感じられるかというと、日常ではないからです。普通に生活をしている中では巡り合えなかった人々と、社会的な生活から一時的に切り離された時間や空間の中で、これまでに知りえなかったことを学ぶからです。その中でも最も夢のようであるのは、やはり年齢も性別も社会的背景もまったく異なる仲間たちと、同じ目標を持って、一緒に学ぶということでしょうか。

 

実は、4月短期クラスが始まる前に、ある生徒さんのお母様からお電話をいただきました。「同じクラスに年齢の若い方はいますか?うちの子はまだ10代なので、同じ世代の生徒がいるかどうか心配しているんです」とのこと。若い方はたくさんいますよ、と即答しようかと思ったのですが、せっかくなのでしばらく待ってもらって、今回のクラスに10代の方がいるかどうか調べました。実際に調べてみたところ、私の予想以上に多く、なんと5名の10代の生徒さんがいました。そのことを伝えると、お母様は安心した様子でした。

 

同世代の生徒さんがいて私もひと安心でしたが、本当のところを言うと、もし今回のクラスに10代の生徒さんがいなくても全く心配はないと思っていました。なぜなら、今までにたくさんの異なった年代(世代)の生徒さんたちが、まるで友だちのように机を並べて、楽しくおしゃべりをしながら、学んでいるのを見てきたからです。

 

研修が始まる前はいろいろ心配や不安はあっても、いったんスタートしてしまうと、それぞれがクラスメイトに変わります。上下関係や雇用関係などない、過去に何をしてきたのか、現在どういう状況なのかも問われない、まったくもってフラットな人間関係。そこにあるのは、これからどうしていきたいのか、どのようにして生きていきたいのかという未来のみ。そんな関係の中で過ごす15日間は、終わってしまうのが惜しくなるような、心地よい、夢のような時間なのです。