親から子へ

先日修了した4月短期クラスには、卒業生のお子さまが2名もいました。お子さまなんて書くと失礼かもしれませんが、つまりお母さまもしくはお父さまが湘南ケアカレッジを卒業し、その子ども(息子もしくは娘)もその後から研修を受けに来てくれたということです。友人知人が来てくださることも嬉しいのですが、こうやって親子で参加していただくのも、また格別の喜びです。なぜかというと、まず親が介護職員初任者研修に参加して、わが子にも受けてもらいたい教育だと思い、その気持ちに子どもが共鳴し、自分もやってみようと思ってくれたからです。

 

言葉で書くと簡単に聞こえるかもしれませんが、自分の子どもに本当に学ばせたい教育を受けてもらうことは難しいものです。今のところ、介護・福祉教育は義務教育ではありませんし、受験のようなシステムもありませんので、学ぶか学ばないかの選択肢は本人にあります。行きなさい、参加しなさいという強制することもできませんから、子どもが本心から学んでみたいと思わなければ、実際に行動に移すことはないからです。もちろん、最初から本人にもやる気があった場合もあるかもしれませんが、まだ若い彼ら彼女らにとって、ふつうの生活をしている限り、介護・福祉教育は縁遠いものであったはずです。

 

もっと具体的に想像してみると、その家族の食卓で、湘南ケアカレッジの話題が出ているシーンが目に浮かびます。研修を受けている最中、今日は学校でこんなことを教えてもらった、こんなことをして楽しかった、こんな仲間と友だちになった等々、お母さま(お父さま)が生き生きとした表情で語っている風景。親が楽しそうに学んでいる姿を見て、子どもは何かを感じるのでしょう。もしかしたら、そのご家庭にはおじいちゃんおばあちゃんもいて、普段から接しているので、介護や福祉を身近に感じる機会が多いのかもしれません。そして、「あなたも受けてみたら?」の言葉がきっかけとなり、湘南ケアカレッジに来てくれたのだと勝手に想像するのです(笑)。

 

そういったご家庭や親子関係が素晴らしいと思うと共に、親から子へと介護・福祉教育が受け継がれていくことに、明るい未来を感じます。介護・福祉教育は現行の日本の教育に欠けている教育であり、これからの日本に必要な教育であり、広まっていくべき教育だと思います。

 

もちろん、私自身の子どもにも将来、湘南ケアカレッジで介護職員初任者研修を受けてもらいたいと思います。いつどの年齢に達したときが相応しいのか正直分かりませんが、(それぞれのお子さまの成長度合いによって違うかと思います)、いつか自らの意思で受けてみたい、そう思ってくれることを希望します。