求人情報を提供しない3つの理由(後篇)

湘南ケアカレッジが求人情報を提供しない2つ目の理由は、求人を出している施設や事業所の実状を把握できないから。正直に言うと、求人情報や求人票を見ただけで、その施設や事業所の内情を知ることはできません。もし湘南ケアカレッジの学校内で求人票や募集の広告を見た(紹介された)なら、学校も公認していると思う生徒さんもいるはずです。学校を信頼してくれていればいるほど、そう思ってくれる方は多くなると思います。頭が固いと思われるかもしれませんが、行って見たわけでもない施設や事業所の求人情報を生徒さんたちにうかつに紹介できないということです。

 

最も良いのは、本人が実際にその施設や事業所に行って、中を見学させてもらい、そこで働いている職員や施設長(もしくは代表)と話をしてみるということです。それだけで全てが分かるとは思いませんし、実際に働いてみないと分からないことの方が多いはずですが、それでも自分の目で見て、聞いて、話してみること以上にできることはありません。

 

湘南ケアカレッジは、最高の介護・福祉教育を提供したいという想いで設立された学校です。背後に施設や事業所を持っていて、そこに生徒さんを就職させようという意図を持って(それが良いとか悪いとかではなく)学校を運営しているわけではありません。だからこそ、変なしがらみや縛りはありませんので、湘南ケアカレッジの生徒さんや卒業生さんには、自分の足で歩いて、目で見て、耳で聞いて、自分が働く場所を選んでほしいのです。

 

3つめは、学校の世界観が崩れてしまうから。もう少し具体的に言うと、教室の壁にベタベタと貼り紙をすると美観が崩れてしまいます。美観については人それぞれの感じ方がありますが、私は求人票や募集広告が所狭しと貼られている教室を美しいとは思いません。また、私たちは15日間という学びの時間、夢のような空間を提供したいと願っていますので、生徒さんたちには学ぶことに集中してもらいたいという気持ちがあります。たとえばディズニーランドに、帰りの電車の時刻表が貼ってあったら興ざめですよね(笑)。細かいことのようですが、せめて湘南ケアカレッジに通っていただいている間は、介護・福祉について、楽しく集中して学んでいただける環境をつくりたいのです。

 

こうした判断ができるのも、介護・福祉の世界には仕事の需要があるがゆえに仕事選びにはほとんど困らないからであり、これまで大手の介護スクールで運営をしてきた経験上、実は生徒さんたちは教室に貼ってある求人票や募集チラシをひまつぶし程度にしか見ないということを知っているからです。鮮度の低い求人票や募集チラシをわざわざ提供してまで、偏った情報を届ける必要はありませんし、教室の美観や学校の世界観を壊すこともないということです。