ひとり1人に、真剣に。

11月短期集中クラスが終わりました。特に短期クラスは、月曜日から金曜日までの毎日3週間通っていただく集中クラスですので、研修が終わってしまうと、突然皆さんが来なくなってしまったような不思議な感覚にとらわれます。さらに今回は次のクラスまで1週間のお休みです。誰もいない教室というのはさすがに寂しいものですね。11月短期クラスは誰もが頑張った良いクラスでした。最終日には、無事に終わって緊張がとけたのか、そこから一気に仲良くなり、お互いの連絡先を交換されていましたね。ほとんど奇跡的な確率で出会ったクラスメイトですから、この縁を長く大切にしてもらいたいと思います。


最後の授業において、研修に関するアンケートを全員に答えていただくのですが、「生徒ひとり1人に真剣に教えてくれた」と書いてくださった生徒さんがいました。その生徒さんいわく、「利用者によって、その人に合う介護をする。とてもいい取り組みだと思います。湘南ケアカレッジの先生方も受講生ひとり1人、真剣に教えてくれたので、安心しました」とのこと。この感想を読んだとき、よく見てくれているなあと思いました。そして、教育とはやはり人なのだと実感しました。教育の内容や言葉だけではなく、人が見られているということです。


 

私たちは「世界観が変わるような福祉教育を」提供したいと願っておりますが、それには最高の授業をすることだけではなく、生徒さんおひとり1人に対してしっかりと向き合う、サポートすることも含まれています。含まれているというよりも、非常に重要だと考えています。どちらが重要ということでもなく、フィフティーフィフティ、同じぐらい大切です。両輪が合わさって初めて前に進めるように、どちらかが欠けてしまっては、全体としては、世界観が変わるようなものを提供することはできないと思います。

 

今回のクラスの筆記試験が終わったとき、ある生徒さんの行動に目が留まりました。その生徒さんは、消しカスを机の下に落とすのではなく、自分の筆箱に入れていたのです。持ち帰って、自宅で捨てるつもりなのだと思います。出たゴミの持ち帰りは介護職の基本ですが、まさかそこまでしてくれるとは思わず、人知れず感動してしまいました。実は研修中は少し心配していた生徒さんだったのですが、とても自然にそうされていた姿を見て、素晴らしい介護士になれると思い、安心しました。ほんとうに些細な行動ですが、人として、なかなかできることではありません。

 

「介護職員初任者研修」の中では、利用者おひとり1人のことをしっかりと見て、個別のケアをしましょうと言っておきながら、私たち学校が生徒さんひとり1人を見ていなければ、本末転倒というか、そこに生徒さんは違和感を覚えるはずです。言行不一致、言っていることとやっていることが違うのではと。言行を一致させるのは当然のことですが、案外難しいことだと思います。いろいろな教育機関にたずさわってきた経験からも、それははっきりと言えます。もちろん、理想を語るべき教育機関だけではなく、企業から医療・介護施設に至るまで同じこと。だからこそ、私たちは常に自らを戒めつつ、自らが語っていることと行っていることが合っているように、言行一致を心がけていかなければならないのです。

鎌倉から通ってくれていた生徒さんから、最終日に「鳩サブレー」をいただきました。先生方と一緒に美味しくいただきました。個人的にも、小さい頃から大好きなお菓子です。ありがとうございました!