「先生方が個性的で素敵だった」という声を多くの卒業生さんたちからいただきます。良く言えば個性的、悪く言えば凸凹というところでしょうか(笑)。私は職業柄(上)、いろいろな学校のいろいろな先生たちを見てきていますが、その中でも特に湘南ケアカレッジの先生方は個性的な先生が揃っていると思います。ひとり1人が情熱的で、明るくて、分かりやすくて、優しい。その上で、マニュアル的ではなく、個性的であるということに大きな意味があります。介護職員初任者研修はひとつのチームとして教えていく研修であり、最高のチームのメンバーは凸凹でいい、いや凸凹がいいのです。
湘南ケアカレッジにもいろいろな先生がいます。生徒さんたちを引っ張っていくのが得意な先生、生徒と肩を並べて一緒に考えていこうとする先生、困っている生徒さんを見つけてさりげなくサポートする先生、笑顔を絶やさない先生、優しく語りかけるような口調の先生、熱く語る先生、汗を流しながら丁寧に実技指導をする先生、理論的に説明する先生、生徒さんたちを褒めたり、盛り上げるのが得意な先生。もちろん、それぞれがいろいろな要素を持ち合わせていますが、飾ることなく自然に振る舞っていると、どこか特に長けている部分が出てきます。それを個性と言うのです。
そして、チームとして考えた場合、湘南ケアカレッジをやってみて、私は凸凹がいいのだと初めて分かりました。お互いの弱点を補い合えるチーム、お互いの強みをより引き立てることができるチームこそが最高のチームだと。なぜなら、それぞれが凸凹であることによって、お互いの強みを輝かせることができるからです。それは相田みつをさんの「みんな違ってみんないい」的ではなく、さらに踏み込んだ、みんな違うからこそみんなが輝くということです。にもかかわらず、どの組織も企業も学校も、できるだけ均質な人たちでチームをつくろうとします。そう思っていなくても無意識にそういう人を集めていますし、自分と違う感覚の理解できない人を排除しようという力が働くのが普通です。
でも、本当はそうではなくて、そういう自分が違和感を覚えるような人の存在こそが、自分を引き立ててくれているのです。違和感を覚える人がいるからこそ、あなたがいる。その人がいなければ、あなたはいないに等しいのです。厳しい人がいるからこそ、優しい人がいる。強引な人がいるからこそ、優柔不断な人がいる。几帳面な人がいるからこそ、ガサツな人がいる。誰も彼もが同じく均質であれば、あらゆる人々の個性は殺されてしまいます。そんな社会やチームが面白いわけがありません。
私たちは生かされているのだと思います。私たちが他とは違うひとりの人間として、社会の中で生きていくことができるのは、自分とは全く違う人の存在があって、凸凹があるからなのです。凸凹を嫌うのではなく、凸凹を歓迎する。そうすることで実は自分がもっと輝くことに、多くの人々が本当の意味で気づくべきだと思います。湘南ケアカレッジの先生方の素晴らしいところは、自分とは違う個性を持った先生を排除しようとせず、理解し支え合おうとするところです。湘南ケアカレッジは、これからも「先生方が個性的で素敵だった」と言ってもらえるよう、できる限り凸凹でいたいと思います。