全身性障害者ガイドヘルパー養成研修レポート(前編)

湘南ケアカレッジが開校して初めてのキャリアアップ研修となる、「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」が10月5日に行われました。この研修は私たちにとってチャレンジでしたし、不安と心配の方が大きかったのですが、全員が無事に修了してくれて本当に良かったです。10時間という長丁場にもかかわらず、最後まで真剣に研修を受けてくださった卒業生の皆さまと気を配り続けてくださった先生方に感謝します。そして何よりも、元気な卒業生の皆さまの懐かしい顔を見られたことが嬉しかったです。卒業生が再び教室に戻ってきてくれて、共に学ぶ。ケアカレを開校したときは、こんな日が来るとは思ってもいませんでした。それは先生方も同じだと思います。これから先もまた、卒業生の皆さまと再会できると思うと、楽しみで仕方ありません。


全身性ガイドヘルパー養成研修は、ガイドヘルパーの研修の中でも、車いすを押しての外出に特化した内容になっています。利用者に楽しんでもらい、自分も楽しめるようになるためには、どのような知識や技術や心構えが必要なのか、実際の仕事にできるだけ近い形で体験していただき、その本質を学んでいただくことがテーマです。この1日で多くのことを学んでくださったはずですし、おそらく研修が終わったあとも、筋肉痛とともに(笑)、身体を通して得たより深い学びが湧き上がってくるのではないかと思います。

 

「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」がどんな内容の研修かイマイチ分からなかったという卒業生の方もいらっしゃると思いますので、研修の全体的な流れを紹介しておきます。また、今回は予定が合わずに参加できなかった、またはもうすでに満員になってしまっていたという方は、ぜひ自分も参加したつもりになって読んでみてください。

朝早くに教室に集合していただき、「ガイドヘルパーの制度と業務」や「障害や疾病」について知っていただいたあと、まずは教室にて車椅子の基本的な操作を学びます。このあたりは初任者研修の復習であり、現場で働かれている方にとっては確認でもあります。それもあってか、皆さまのテンションはまだ上がらず。しかし、そんなまったりした雰囲気も束の間、もういきなり外に出る時間がやってきました。2人ずつペアになり、芹が谷公園に向かってレッツゴー!



芹が谷公園までは歩いて10分ほど。普通の道を進み、交差点の信号を渡り、緩やかな坂を登り、ようやく入口まで到着したと思いきや、目の前には魔の急坂が待ち構えています。これぐらいの急坂であれば、必ず後ろ向きで降りていかなければならないのですが、車いすに乗っている方はもちろん、車いすを支えて降りていく方も心臓がバクバクです。

全員が無事に急坂を下り終ったあと、ひとりで車椅子を持つ持ち方を習い、車いすを持って階段を下っていきます。いちばん下まで降りてから再び車椅子に乗り、緑の木立の中を気持ちよく進んでいると、パッと視野が開け、大きな広場が目の前に広がります。

ここが屋外の練習場です。グループごとに、段差や坂道や砂利道など、あらゆる自然の場面を使って、何度も練習をしていきます。ここでの練習をきっちりと行っておかないと、午後からの実戦で困ることになります。逆に言うと、ここできっちり練習しておけば、午後からの実戦も安心して楽しめるということです。

ひとしきり練習したのち、教室に向かって帰るのですが、実は帰りが苦しいのです。かなりきつい勾配の上り坂が続くのです。自分の運動不足を呪いつつ、車いすを押して外に出るということの大変さを知ります。しかし同時に、実際の自然の中で車椅子を押すことで、車いすを押すコツや力加減を身体で覚えていくのです。こればかりは、あらゆる状況で、長い時間、車いすを押してみなければ分からないことですね。


(後編へ続く→)