真似できないのが文化

社会における集団にはそれぞれの「文化」があります。企業や団体、学校など、一定数以上の人が集まると、「文化」が生まれるのです。私もこれまでいくつかの企業で働かせてもらって、たとえ同じ業種であっても、そこに流れている「文化」は全く違うということを感じました。「文化」というと抽象的だとすれば、その職場や学校の雰囲気や特徴ということです。それらを全て含めて、できあがっているものが「文化」ということです。湘南ケアカレッジの「文化」を説明せよ、と言われると困ってしまいますが、それは「文化」というものが、あらゆる小さな要素が集まってできているからです。私はケアカレの特徴として、先生方の情熱や優しさ、ユーモア、ホスピタリティが素晴らしいと感じていますし、佐々木先生は笑顔が溢れていることだとおっしゃっていました。他の先生に聞くとまた別の答えが返ってくるはずですし、卒業生さんに聞いてもまた違うかもしれません。つまり、「文化」とはほとんど形のないものであり、そこに集う人たちの交流によって発展していくものなのです。

 

そして、「文化」のもうひとつの側面として、つくることができない、ということがあります。「文化」はできるものであって、つくるものではないのです。だから長い時間をかければつくれるわけではなく、こういう「文化」にしたいと思ってもそうなるわけでもありません。そうは言っても、たまたまできるということでもなく、そこに集う人たちの意志や気持ちが相互に強く作用することで、そういう方向に自然と「文化」が形づくられていくということです。つまり、「文化」は真似できないのです。

 

湘南ケアカレッジは今年でいよいよ4年目を迎えます。町田にたった1つしかない、小さな学校ですが、あらゆる面において他の学校からベンチマークされ、真似をされるようになりました。町田という場所はもちろん、神奈川の受講料はうちを基準にして決まっていきますし、金曜日から始まる短期クラスのコース設定や受講開始日さえもそのまま真似をされています。それは悪いことではなく、仕方のないことです。

 

でも最後まで真似できないことは、「文化」だと思います。生徒さんたちが色紙を書いて贈ってくれるという話は他の学校では聞いたことがありませんし(私が5年間いた大手の介護スクールでは多いときには40教室を東京・神奈川で運営していましたが、1度もありませんでした)、卒業生がこれだけ頻繁に教室に遊びに来てくれる学校も少ないと思います。

 

 

ずいぶんと冗長に「文化」について語ってしまいましたが、何が言いたいかというと、湘南ケアカレッジの「文化」は素晴らしいということです(笑)。ケアカレに集まってくれた人たちの誰もがそれを感じてくれているのではないでしょうか。そして、それは先生方やこれまでの卒業生さんたちのおかげでできあがったものです。もちろん先生方がつくってくれた「文化」だけに逃げるのではなく、私たちの素晴らしい「文化」をより多くの人たちに感じてもらえるように、今年はもっとたくさんの生徒さんたちに集まってもらい、さらに深く豊かな「文化」を一緒につくっていきたいと思います。