「介護のしごと」

先日修了した2月土曜日クラスには、スリランカ人とネパール人の方がいました。お2人とも積極的に学んでくださり、お昼休みには他の生徒さんたちと一緒に教室でお弁当を食べている姿を見て、素敵だなと思いました。湘南ケアカレッジからは、これまで中国、フィリピン、ブラジル、韓国人の方々が介護職員初任者研修を修了しており、ますます卒業生さんたちの国籍がバラエティに富んできましたね。実はこのクラスの生徒さんが働いている職場に、ケアカレにとって初めての外国人の卒業生さんがいて、「村山さんにもよろしく」と言づけてくれたそうです。彼女が最後の修了試験に合格したときの嬉し涙を、私は今でも覚えています。あれから3年が経ち、今も現場で頑張っているようで嬉しいです。

母国語ではない言語で、しかも新しい世界に飛び込み、学んでいるのですから、彼ら彼女らを心から尊敬してやみません。私たちが外国に行って、違う言語で知らない世界のことを学ぶ困難を想像するだけで、お腹が痛くなります。私に同じことができるかと問われると、はっきり言って自信がありません…。もちろん他の生徒さんたちと同様に公平に接しているつもりですが、どうしてもサポートしなければという意識があるため、手厚くなってしまっているかもしれませんね(笑)。その分、これまで卒業してくださった外国人の方々のことはよく覚えています。

 

私は介護・福祉教育の世界に入ったときから、外国人の方への教育にも興味があり、実際に今から10年以上前に、フィリピン人の方を対象としたホームヘルパー2級講座(今の介護職員初任者研修)を開催したことがあります。フィリピンからそのために日本に来た方や、すでに日本に住んでいて転職して介護の仕事に就きたいと思っている方まで、15名ぐらいのフィリピンの方々に、朝から夕方まで1ヶ月ぐらいみっちり通学して学んでもらいました。日本人にはない底抜けの明るさとオープンマインドを持っていて、介護の世界とはとても親和性が高いと感じました。

 

それぞれのお国柄というものは確かに存在するのですが、これだけ多くの国々の生徒さんたちと接してきて、どこの国に生まれて育ったとしても、人が人を想うという根本的な部分は変わらないのだと教えてもらいました。そこさえ変わらなければ、知識や技術、難しい言葉などはあとからでもついてきます。介護職員初任者研修は様々な年代や性別の人たちが一緒になって学ぶことが楽しさのひとつであり、色々な国の方たちが混ざってくれるとなおさら良いですね。周りのクラスメイトさんたちだけではなく、教えさせてもらう私たちにとっても大きな学びがあるのです。

 

 

上の本「介護のしごと」は外国人の方(母国語が日本語以外の方)に向けて、やさしい日本語とイラストで説明されている、介護職員初任者研修テキストの副教材です。望月先生と佐々木先生が外国の方に介護を教えるための研修に参加した際にもらってきてくれました。介護の仕事をするにあたって、知っておくべきキーワードや考え方が分かりやすくまとめてあり、しかも日本医療企画さんの出版ということもあって、湘南ケアカレッジで使用している介護職員初任者研修のテキストともリンクしています。ケアカレの生徒さんや卒業生さんにも外国の方がたくさんいますので、ケアカレ図書館に置いておこうと思います。