「体験したこと」と「想像しただけのこと」

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修の第5回が無事に修了しました。無事にという言葉がこれほど適切な研修もないと思いますが、天気も良く、皆さんが最後まで元気に過ごすことができて本当に良かったです。梅雨の時期の開講だけに、雨が降らないか心配で仕方なかったのですが、私たちの日ごろの行いが良いからでしょうか(笑)、この日は1滴の雨が降ることもありませんでした。しかも前日はカンカン照りで30度の気温だったにもかかわらず、この日は23度ぐらいと、まさにガイドヘルパー研修日和でした。心地よい汗をかきながら、1日中楽しんで、体を使って学んでいただくことができました。次回は、9月22日(木・祝)になりますので、ぜひご参加ください。お待ちしております!

以下、修了証明書に添えて、卒業生さんたちに送った手紙です。

 

わずか1日間の研修でしたが、たくさんのことを観て、知って、体験されたのではないかと思います。最後にもお話ししましたが、湘南ケアカレッジの全身性障害者ガイドヘルパー養成研修は、実際のガイドヘルパーの仕事にできるだけ即した、実践型の研修になっています。

 

特に午後からの、生徒さんたちそれぞれが行きたい場所を決め、自由に行って帰ってくるという体験型の演習は、日本で初めての試みです。たしかに外に出ていくことには危険や困難が伴いますが、それ以上に、新しい世界が広がってゆくことになると信じています。

 

今回、皆さまにはいろいろな体験をしていただきました。車いすを押したり、坂道を登ったり下ったり、段差を超えたり、ときには後輪だけで走ってみたりと、車いすを安全に操作することはもちろん、車いすに自ら乗ってみて、障害のある方の体験もしていただきました。

 

アンケートにも、今までとは違った視点や気持ちで世の中が感じられたという声が多く書かれていたように、車いすに座って街に出てゆくだけで、普段とは全く違う世界が見えるのです。本当の意味で当事者の気持ちを理解するのは難しいことですが、それでも自分が実際に「体験してみたこと」と「想像したただけのこと」との間には、大きな違いがあると思います。

 

 これから先、皆さまのお仕事や日常生活、そして人生に、今回の研修が何らかの形で役に立つことがあれば幸いです。またいつでも湘南ケアカレッジに遊びに来てください!

 

湘南ケアカレッジ 一同

 

以下、一部の生徒さんのアンケートを紹介します。 

普段気づけないことを多く学べて良かった

車イスに乗って感じたのは、歩行者の視線、冷房の風が直接感じて寒かったり、エレベーターが不便なところにあったり、狭かったり、ホームが一部狭くて、通るのが大変だったり、歩道がないところでは自転車や車が通るときにひやっとしたりと、普段気づけないことを多く学べて良かったです。(大瀬さん)

 

車いすの動かし方などを学べて良かったです。また実際に自分で車いすに乗ってみて、得たことがたくさんありました。(中村さん)

 

事前計画や準備が重要

ただ単に出かけるということではなく、事前計画や準備が重要だということが分かりました。利用者の方がいかに快適に過ごせるかが大事だと思いました。そして車いす介助は天候や交通状況など様々な問題もあり、臨機応変に対応するためにパターンをいくつか用意しておくと良いかと考えました。(島田さん)

 

 

いろいろなことが体験でき、とても役に立ちました

現在、デイで勤務しており、そこでの必要性はあまりないと言われての受講でしたが、実際に受講してみて、車いすの扱い方はもちろんのこと、長時間街で乗ってみていろいろなことが体験でき、とても役に立ちました。障害者のヘルパーは考えたことがありませんでしたが、この先必要性を強く感じました。(藤井さん)

 

介助者からの目線と利用者からの両者での感覚

介助者からの目線と利用者からの両者での感覚で演習を受けられたことが、これからの職務においてとても役立つスタートになりました。車いすを押していて、フットサポートの位置が死角になって、何度となくぶつけてしまうほどでした。実務の場では注意し、心掛けの役立てになります。(齋藤さん)

 

いつもと全く違った感覚

実際に利用者の立場をさせてもらい、周りの見え方や施設を利用するときなど、いつもと全く違った感覚を持ちました。何気なく今まで行っていたことも、車いすに乗ることで制限されてしまう寂しさがあるというのを今後少なくしていける世の中になる手助けを行えるように頑張ろうと思います。(重田さん)

 

 

障害者を見る目がこの研修を通して変わった

実際に公園や町の中、電車で車いすを押してみて、問題点や安全面、気持ちの問題など、これまで感じたことのないものを感じた。車いすに乗ってみて、初めて障害者の気持ちを少しは感じることができ、私自身、障害者を見る目がこの研修を通して変わったと思う。プロとしての道は大変だろうなと思いました。やりがいのある仕事だと思った。(中山さん)