先週の日曜日、中国の大連からの見学者が教室に来てくれました。中国人の卒業生さんからの依頼で、学校や実際の授業風景を見せてほしいとのことだったので、せいぜい3、4人でお越しになるのかと思いきや、なんと10人を超える中国人の団体さんでビックリでした(笑)。せっかくなので全員に教室に入って見学してもらいましたが、生徒さんたちも先生方も驚かせてしまいましたね。すいません。その中国人の卒業生さんが実際に湘南ケアカレッジの授業を受けてくれたのは一昨年の暮れですから、それからつながりを保ちつつ、理想の介護の学校として中国に紹介してもらえるとは嬉しい限りです。
今回、見学に来てくださった方々の中には、もともと不動産ビジネスを行っていて、中国でこれから介護の学校を立ち上げるという女性たち、介護施設の建築・建設を担当している男性がいました。近くのカフェに入って、残った6名の中国の方々に囲まれて話をしました。しかし、大学で第二外国語として中国語を選択していたにもかかわらず、彼ら彼女らの話している言葉はまったく分かりませんでした。ああ、真面目に勉強しておけば良かったと今になって反省です…。卒業生に通訳をしてもらいながら、時間をかけて、卒業生の就職率や離職率、介護職員の給与のこと、また学校を運営するためのノウハウなど、ひとつ1つの質問に答えました。
印象的であったのは、彼ら彼女らは日本の介護の技術や知識だけを取り入れようとしているのではなく、心の部分も大切だということが分かっていることでした。「こころの部分の教育には、どれぐらいの割合の時間を使っているのですか?」という質問があり、しばらく考えてから、「もしかしたら、15日間のすべてを、こころを伝えるために使っているかもしれません。技術や知識とこころは別々に存在するわけではなく、介護の技術にはこころが込められていますし、知識も相手のこころを知るためにあるのです」とお答えしました。うまく伝わったのかどうか分かりませんが、このやりとりで彼ら彼女らとは少しこころが通じ合った気がしました。
中国ではこれから介護保険制度のようなものが作られようとしているそうです。実験的な運用も少しずつ始まっているとのこと。日本の介護教育や資格制度のようなシステムはまだありませんが、介護について学びたいという人々はたくさんいて、介護の仕事に就く人たちのための教育の必要性も高まっているとのこと。そこで湘南ケアカレッジに白羽の矢が立ったのですが、どのようにすればケアカレ独自の教育コンテンツを中国に輸出できるのか、分かりやすい答えは見つかりませんでした。こちらから向こうに先生が行く、向こうからこちらに学びに来てもらう。そんなことを何度も繰り返して初めて、本当の意味での国際貢献になるのかもしれませんね。中国に第2のケアカレをつくることは、とてもチャレンジングな仕事だと思いますが、あまりにも壮大すぎて今のところ現実的ではありませんね。まずは中国語を勉強することから始めてみようかな。