「どのような実務者研修にしたいのですか?」と先生方に聞かれたことを思い出します。
実務者研修を始める前のミーティングにおいて、全体の方向性を問われたのです。実際のところは、私も先生方も気持ちは一致していて、それをミーティングの場で確認するための問いだったと思います。
迷うことなく、「実技もしっかりと身につけてもらう研修にしたいです」と答えました。
実務者研修を始まる前から、このような研修にしてはいけないというポイントがありました。他校の実務者研修を受けた方々から感想を聞いて、不満として多く上がってくるのは、「1日中、ケアプランを生徒同士のグループで作るだけで、つまらなかった」、「先生たちの連携が取れていないのか、言っていることがまるで違う」「医療的ケアの授業は待ち時間が多く、手順を覚えるばかりに厳しくて、でもやったことはもう覚えていない」という3点がほとんどでした。
湘南ケアカレッジはその逆を行くことで、生徒さんたちの満足度を高められると考えました。「ケアプランをつくる(自分の頭で考える)ことだけではなく、実技演習もしっかりと行う(実践できるようになる)」、「生徒さんたちが先生方に、どんなことでも気軽に質問できるような雰囲気にする」「先生方のメッセージに一貫性があり、授業につながりを持たせる」「医療的ケアは楽しく学び、本質的な部分を理解してもらえる授業にする」ことにしたのです。
生徒さんたちからの不満の裏側にはニーズがあります。自らお金を払って学びに来てくださる生徒さんたちは、実際の現場で明日から使えるような技術や知識を覚えたいし、自己流になってしまっている実技を見直したいと思っています。ケアプランを皆で考えることも大切ですが、先生方からの高い視点や見識も聞きたい。分かりやすい授業を聞きたい。これから先、自分が介護の仕事をしていくにあたって、目指すべき正しい方向を示して、導いてほしい。医療的ケアは初めてのことなので、楽しみながら、何度も繰り返して練習したい。そのような期待に対して、湘南ケアカレッジは全力で応えていきたいと思っています。