
生徒さんが教室に来てくれるとありがたく思います。学校なんだから、生徒が教室に来るのは当たり前だと言われるかもしれませんが、当たり前ではないのです。これだけたくさんの生徒さんがいらっしゃっていると、中にはどうしても途中で通い切れなくなったり、休みがちになってしまう人でも出てきます。全員が全員、決められた日程どおりに通えるわけではありません。その理由もさまざまです。風邪を引いたりと病気になってしまったり、寝坊をして1日休んでしまったばかりにリズムを崩してしまったり、また精神的にアップダウンが激しくてその下の波が来てしまったり。特に心の問題を抱える生徒さんは少なくありませんので、通いたい気持ちはあっても通えないということもあるのです。
3年ぶりに来てくださった生徒さんもいました。湘南ケアカレッジが開校した年に来ていただき、途中でリタイアしてしまっていました。何度もやり取りをさせていただき、本人も通いたいとずっと思ってくれていましたし、私たちもいつでもウエルカムな態勢でいましたが、いざ通うとなるとなかなか難しいもので、そうこうしているうちに3年の歳月が流れていました。その生徒さんが教室に来てくれたときは嬉しかったですね。そして、もう1度最初から授業を受けてくださって、今回は最後まで無事に通うことができたのです。通信添削課題も実技演習も素晴らしい成績で修了されました。
同じように、外国人の生徒さんも最後まで通えるか、毎日心配します。慣れない言葉で1日中授業を受け、自宅に帰れば、難しい漢字とにらめっこして添削課題に取り組むのですから、心が途中で折れてしまっても不思議ではありません。おそらく彼ら彼女らは、私たちが想像もできないような状況や気持ちで研修に臨み、教室まで来てくれているのだと思います。そんな状況を知っているからこそ、毎日、教室に入ってきてくれるときの笑顔を見るとホッと胸をなで下ろします。幸いなことに、外国人の生徒さんが途中でリタイアしてしまったことは一度もありません。もしかすると、私たちが思っているよりも彼ら彼女たちは強いのかもしれませんね。
私たちにできることは待つことです。ただ待つのではなく、気に掛けること。さすがに子どもの学校ではないので、自宅に電話を掛けて誘い出すなんてことはしませんが、とにかく生徒さんが通いたいと思うまで急かすことなく待つのです。電話をいただいたときには、いつでも歓迎している気持ちを最大限に伝えますし、教室に来てくださったときには、待っていたことを伝え、来てくれたことに感謝します。湘南ケアカレッジのゴールは、受講料をいただくことではなく、介護職員初任者研修や実務者研修に来てくださった生徒さんたちに楽しく最後まで通ってもらい、たくさんのことを学び、仲間を得て、ケアカレに来て良かったと思ってもらうことです。だからこそ、生徒さんたちが朝、全員がお休みなく揃った日は良かったと安心するのだと思います。