違いを知ることで

実務者研修の初日は、介護過程について学びます。基本的なところから復習し、実際の現場に当てはめてもらえるように、介護計画を立てられるところまで学んでいただきます。介護過程について学ぶ中で、「利用者さんに対して配慮する内容」を各自で10項目挙げてもらい、優先順位をつけてもらいます。その上で、今度はグループで話し合ってもらうと、働いている業種や職場によって優先順位が全く異なることに皆驚きます。同じ介護や福祉の仕事であっても、業種や職場が変わると、大切にしていることも違うということです。

「障害者の分野で働いている人たちと知り合えたことで、自分の世界がパーッと広がったような気がします。私は高齢者介護の施設で働いているのですが、普段はミスをしないことばかりを考えて介護していたり、やってはいけないことだらけで、何だか縮こまって仕事をしていました。でも、そうじゃなくていいんだ、いろいろな介護の形があるんだって教えてもらいました」とおっしゃっていた生徒さんがいました。

 

それは良し悪しではなく、全く異なる利用者さんたちと向き合っている以上、違って当然であり、その違いを知ることが学びにつながります。私たちは仕事をしていると、自分の職場や業種で当たり前とされていることが当たり前とつい考えてしまいますが、一歩外の世界に踏み出してみると、全く違う考え方があり、全く異なる視点が存在するのです。こうした研修において、同じテーマで違う業種や職場で働く介護職と話してみて、初めて分かることです。その違いが大きければ大きいほど、いかに自分の視野が狭かったか思い知らされ、そして自分の世界が広がっていくのを感じるのです。

 

 

そのためには、できるだけたくさんのクラスメイトたちと接してもらいたい。湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修も実務者研修も、その気持ちは一貫しています。そこで仲良くなった関係性は、研修が終わってからも続くものであり、人によっては一生ものの宝になることもあります。また、私たちが授業を通して教えさせていただくことだけではなく、生徒さん同士が情報を交換したり、意見や考えを伝え合うことで、互いに大きな学びが生まれるからです。そこで望月先生からの新たな提案により、くじ引き箱をつくりました。実務者研修に来られる方は、ぜひ楽しみにしていてください!