改善を積み重ねる

実務者研修は最終日の医療的ケアが終わると、無事修了となります。最大の難関である実技テストをパスしたあとだけに、少しだけリラックスして来ていただけるとは思いますが、それでも医療という初めての領域になるため、やはり不安と緊張の面持ちで授業はスタートすることになります。そんな生徒さんたちの気持ちを和らげたいという想いで、藤田先生は授業の最初から飛ばします。1日8時間のロングランだからといってペースを調整するということもなく、いきなりトップスピードに乗ってクラスの雰囲気を盛り上げていくのです。話の途中に入れる、人のこころを和ませるような言葉や声掛けはさすがだと思います。なんだか今日1日楽しそう、そう生徒さんたちは思ってくれるはずです。

手技の演習が始まると、ひたすらに実施し、評価し、練習してという繰り返しです。それぞれの動作を身体で覚えていただきます。最初よりも2回目、2回目よりも3回目と、次第に流れがスムーズになり、次にどの動作をするのかを考える必要がなくなり、そうなるとなぜこの動作をするのかという疑問が湧いてきます。そのようなとき、湘南ケアカレッジの医療的ケアの看護師の先生方は常に生徒さんたちに寄り添ってくれていますので、どんな小さいことでも質問できるはずです。そのQAから学ぶことは多いでしょうし、あれだけ遠い存在に思っていた医療をすぐ近くに感じるかもしれません。

 

村井先生は「そこには壁がないと思っています。看護師だからということではなく、できる人がすれば良いのです」と最後に語っていましたね。また野田先生も「観察することが大切です」とおっしゃっていたように、普段の生活から長い時間を接している介護士の方がたくさんのことを観察できるはずです。とはいっても、私たちは知らないことは見えませんので、今回の医療的ケアの研修で学んだような観察のポイントを知ることは重要ですね。

 

今回から、ひとりの手技がひと通り終わると、グループで拍手をして認めるというスタイルを取り入れることにしました。これまでも自然にやっていた(できていた)グループもあったのですが、ひとつの仕組み(型)として行うことにしました。最初から最後の手順まで終えたことに対して、そのグループで拍手をして認める。それから評価者はフィードフォワード(良かった点から伝え、その後、こうすればもっと良くなるという改善点を伝える)をします。この拍手があることで、演習にメリハリができ、お互いを盛り上げていこうとする雰囲気が自然と生まれます。そのせいか、今回のクラスの生徒さんたちは、最後までモチベーションが落ちることなく、活気にあふれ、楽しく演習をしていました。

 

 

授業後のミーティングでは、次回からは胃ろうの医療的ケアのパートを午前中に持ってこようという提案がなされました。これまでの流れだと、どうしても午後が重い(大変な)内容になってしまうので、全体のバランスを取るために午前中に胃ろうを終わらせるということです。そしてもうひとつ、午後の4時間の演習という長丁場でもできるだけ集中力が途切れることのないよう、午後から再度グループ替えをすることにしました。午前中の3人組とまた違ったメンバーと午後から演習することで、また新たな気持ちで臨めるのではないかということです。医療的ケアの手順書も、より分かりやすいように少しずつ変更が加えられていきます。このように、少しでも良い授業や雰囲気づくりを目指して、毎回の授業ごとに少しずつ改善を重ねていくのです。それは悪いところやできなかったことのあら探しではなく、こうすればもっと良くなるのではというマインドから生まれてくる健全な改善なのです。

 

 

サプライズで結婚記念日を祝っていただきました。まさか結婚記念日で来るとは思っていなかったので、上手な反応やコメントができずにすいませんでした(笑)。でも嬉しかったです。祝っていただいた先生方、そして生徒の皆さま、ありがとうございました!