スワンベーカリー町田

卒業生さんがこちらで働いている方のガイドヘルプ(移動支援)をしている関係で知ったお店です。「パンがとても美味しいですよ」と聞いて、1年ぐらい前から行きたいと思っていました。旧市役所前のバス通り(ケアカレの前の通りです)を町田駅とは反対の方向に真っすぐ10分ほど歩くと、町田高校の手前に「スワンベーカリー町田」が見えてきます。看板には「久遠(くおん)チョコレート×スワンベーカリー町田」となっており、バレンタインデーだけの企画かと思いお店の方に尋ねてみると、昨年6月に改装して今はパンだけではなくチョコレートづくりにも力を入れているとのことでした。

お店の外観もそうですが、店内に入ってみて、このお店が障害のある人もない人も、ともに働き、ともに生きていく社会という理念を実現するためにつくられた、と分かる人は少ないのではないでしょうか。私が想像していたのは、ほんとうに失礼だと思うのですが、飾り気のない外観で白色電球の光が降り注ぐ店内に無造作にパンが置かれている様子でした。見た目にはこだわりませんが、パンの味は美味しいので買ってください。障害のある人が一生懸命につくっています。という買い手を選ぶタイプのお店だと勝手にイメージを膨らませていたので、「スワンベーカリー町田」の雰囲気から商品パッケージ、コンセプトまで、すべてにおいて意外でした。

パン好きの私としてはパンも美味しく食べたのですが、今日はバレンタインデーであり、せっかくなので久遠チョコレートのミッションを紹介させていただきますね。

 

1 素材のピュア

2 作り方のピュア

3 作り手のピュア

 

 

1の素材のピュアとは、チョコレート本来の味を楽しんでもらうために、ピュア(純)チョコレートにこだわっています。2の作り方のピュアとは、チョコレートづくりに手間を惜しまず、妥協することなく、オンリーワンの商品を作り続けるということ。そして3の作り手のピュアとはシェフ・ショコラティエ野口和男さんの技術と知識と経験を生かし、全国の障害者をショコラティエとして育ててゆくということです。

このようにして良いもの、美味しいものを売り、良いから美味しいからという理由で買う健全なビジネスモデルが福祉の世界にも必要だと思います。補助金や助成金というものが入っていない、ピュアな市場原理の世界です。もちろんそれだけではなく、私は前々からも書いているように、モノが溢れる時代の中、これからはますます、誰から買うのか、どこから買うのか、私たちが主体的に選択していくようになると思いますし、そうなるべきだと思います。たとえ少しぐらい高かったとしても、大量生産された無表情の製品より、人の手によってつくられた生命の宿ったものがほしいのです。これは製品だけではなく、食べるものも同じことです。意味がないモノコトと意味があるものごとに分かれていく時代の流れを感じますし、そういう選択をできることが本当の意味での豊かさということなのだと思います。