デイサービスの神様

生徒さんたちは、はるばる遠くから湘南ケアカレッジに来てくださいます。遠くというのは、距離的な遠さではなく、あらゆる偶然や縁が重なって、巡り巡って、ケアカレにたどり着いてくれているという意味です。最初から湘南ケアカレッジに行こう!と決めている人などひとりもいないはずです。あのとき知人から話を聞いていなかったら、友人に勧めてもらえなかったら、資料を請求していなかったら、もしかすると他の学校に行っていたかもしれませんし、そもそも介護職員初任者研修を受けていなかったかもしれません。これはケアカレに限ったことではなく、どの業界でもどのお店でも、お客さんたちは私たちの想像を遥かに超えた偶然を経て、奇跡的にここにいるのです。

 

8月短期クラスの生徒さんが、湘南ケアカレッジに来た経緯について、こっそりと教えてくださいました。彼女は一大決心をして東京に飛び出してきて、自分の身を立ててゆくために、介護の仕事を探し始めました。ところが、最初に面接に行った有料老人ホームではやんわりと断られてしまいます。それにもくじけることなく、ふと帰り道で見つけたデイサービスに飛び込んだそうです。そして、そのデイサービスでも、資格を持っていないと採用できないと門前払いを食らってしまいました。

 

意気消沈して帰途に就こうとしたところ、後ろからひとりのデイサービスの職員らしき人が追いかけて来て、「この学校に行って研修を受けるといいですよ」と湘南ケアカレッジのパンフレットを渡されたそうです。その人いわく、うちのデイサービスでもケアカレの卒業生が何人か働いていて、とても良い学校だったと口を揃えているとのことでした。何か運命的なものを感じ、湘南ケアカレッジの初任者研修に申し込んでくれたそうです。実際に通ってみると、どの先生の授業も素晴らしく、湘南ケアカレッジに来てほんとうに良かったと思ってくれたそうです。

 

こんなに良い学校を紹介してくれたことに感謝し、御礼をひとこと言いたいと思い、その生徒さんはお休みの日にそのデイサービスを再び訪ねました。ところが、歩けど歩けど、そのデイサービスは見つかりません。たしかに帰り道にあったはずのデイサービスが、どこを探しても見当たらないのです。まるで忽然と姿を消してしまったように、デイサービスが跡形もなく消えてしまったのでした。結局、ケアカレを紹介してくれた職員の方に御礼を言うこともできず、あれは夢だったのかと思いながら自宅に戻ったそうです。

 

この後日談を聞いて、デジャブ(既視感)というか、まったく同じ話を聞いたことがあると私は思いました。ある卒業生さんもあるデイサービスに飛び込んだところ、今は募集をしていないと断られ、デイサービスを背にトボトボ帰っているところを呼び止められ、「湘南ケアカレッジという学校に行ってみてはいかがですか?とても良い学校ですよ」と勧められ、電話番号が書かれたメモを渡され、ケアカレに電話をしてくれました。

 

 

世の中には不思議なことがあるものですね。そのデイサービスが同一のものか分かりませんし、ケアカレを紹介してくれた職員さんには御礼を言いたいと思いますが、どこのデイサービスで働く誰なのかさえ分からないのです。もしかすると介護を学びたいと願う人たちをデイサービスに呼び寄せ、そっとケアカレを勧めて背中を押してくれる神さまが存在するのかもしれない、と思ったりもします(笑)。先生方の素晴らしい授業やきめ細かいサポートを、その神さまは見てくれているのだと思います。おかげさまで、これだけたくさんの生徒さんたちが、遠くから導かれるように湘南ケアカレッジに来てくれていることに、私たちは感謝しなければいけませんね。