その次に集まれる場所を

湘南ケアカレッジは「介護職員初任者研修」を入り口として、スキルアップ研修として「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」、ステップアップ研修として「実務者研修」、最後に介護福祉士になるための「介護福祉士筆記試験対策講座」を開講しています。介護・福祉のことを全く知らないままにケアカレに来て、気がつくとこれら4つのステップを見事に踏んで介護福祉士になる卒業生さんが増えてきています。彼ら彼女らに共通しているのは、介護に携わる者として知っておくべきことは知っておきたい、もっと学びたいという意欲、そして湘南ケアカレッジに通うのが楽しみという気持ちです。

介護福祉士まで取ってしまった(もしくは受けられる研修は全て終えてしまった)卒業生さんは決まってこう言います。「これで終わってしまうのは寂しい。もっと勉強する機会をつくってください」。そのような想いを抱いてくれたことはとても嬉しく、その反面、現時点では、もっと学びたいという彼ら彼女らの気持ちに応えられないのも実情です。この課題は昨年から私たちに突き付けられてきたものですが、振り返ってみると、忙しさにかまけて、さらなるスキルアップ研修や卒業生さんたちが気軽に集まって学べる場所を提供できませんでした。

 

昨年の反省を生かし、今年はもう1度、湘南ケアカレッジの理念でもある「世界観が変わる福祉教育を」という原点に立ち返り、もっと学びたいという気持ちがある卒業生さんたちが集まれる機会をつくっていきたいと思います。少しだけネタバレしておくと、視覚障害や知的障害のある方々のガイドヘルプをするための知識や技術を学ぶ「同行援護従事者養成研修」や「知的障害者ガイドヘルパー養成研修」、現場でたん吸引などを実際に行えるようになれる「喀痰吸引等研修」、夜の教室が空いている時間を使って、家族介護やボディメカニクス、チームワーク、おむつについてなど、細かいテーマごとに分けて学べる「ケアカレナイト」などを少しずつ実現していきたいと思います。

 

 

やはり私たち学校(先生方)と卒業生さんたちは、学ぶ機会や場所を通して、人間的につながっているのです。「いつでも遊びにきてくださいね」とは言われても、特に用事や相談もないのに顔を出すのも難しく、そうした機会さえあればと思う卒業生さんは多いはず。新しい研修やワークショップなどを行うことで、先生方にとっては教える機会が増え、ますます活躍していただけますし、卒業生さんたちにとっては現場での悩みを解決できたり、やる気ややりがいを再び思い出したり、これまでとは違った世界が見えてきたりと、充実して仕事に取り組んでもらえるのではないでしょうか。そして何よりも、先生方と卒業生さんたちがその次に集まれる場所が生まれるのです。