トイレの神様

湘南ケアカレッジは生徒さんに教えてもらうこともあります。分からないこと、困っていること、心配なことを教えてもらい、少しでも良くしていこうと考えています。最初から分かっていれば良いのですが、まだまだ私たちにも至らない点があり、生徒さんたちから教えてもらうことで改善していけるのです。たとえば、申し込みをされた生徒さんに送っている写真付きの地図(湘南ケアカレッジまでの行き方)は、何回お伝えしても道に迷ってしまうご高齢の生徒さんのために作られたものでした。さらにさかのぼっていくと、ケアカレ恒例の誕生日祝いは、私が子どもの教育にたずさわっていたときに女の子の生徒さんに喜んでもらったことがきっかけです。

昨年12月からスタートした日曜日クラスの生徒さんからも、またひとつ教えてもらいました。介護職員初任者研修がスタートしてから3日目ぐらいに、Tさんは「ここ(湘南ケアカレッジ)は受講料が安いから、便座のシートがないの?」と唐突に聞いてきました。その2つの項目のつながりに??と私がなっていると、「便座が冷たいから、ヒューって縮こまってしまうのよ。私ら年寄りは心臓に悪いわ(笑)。便座シートでも貼るとだいぶ違うわよ」と言ってくれました。なるほど、ケアカレがそういうところをケチっているから、受講料が安いのかという嫌味だったのか、とようやく気づきました(笑)。

 

 

もちろんそんなことはなく、湘南ケアカレッジが開校して何度も冬を越してきて、便座が冷たいことも分かっていたつもりですが、共用部分ということもあり、便座シートを貼るという考えにも、行動にも至っていなかったのでした。実際にそう言われてみて、100円ショップで便座シートを買い、貼ってみた後では、なぜこれぐらいのことを今までしていなかったのだろうという感想しか浮かんできませんでした。おそらく私が男性ということもあり、体感として寒い季節に便座に座る冷たさが理解できていなかったのでしょう。翌週、便座シートを貼ってあるのに気づいたTさんは、「もう貼ってくれたのね!嬉しいわ。私も持ってきたから使って!」と言って、新しい便座シートをくださいました。

それだけで終わらないのがケアカレの良いところです。影山さんの提案もあって、個室の中に1台ずつ、トイレ用の小型のヒーターも設置することにしました。これで便座だけではなく、足もとから暖かくなってもらうことができますし、お手洗い全体も暖かくなります。本来はビルの管理者(会社)がすべきことですが、良かれと勝手にやってしまいました(笑)。さっそく生徒さんや先生方から、「暖かい!」、「トイレから出たくなくなっちゃう」との嬉しい反応をいただきました。

 

 

何から何まで実現できるわけではありませんが、こうして教えてもらうことで、気づき、良くなることもできるのです。生徒さんに教えてもらったことに感謝しつつ、言ってもらわなければ分からないこともあるのだと痛感した次第です。