最初に隣に座った人と

卒業生さんたちに話を聞くと、研修初日にどこの席に座ったか、誰が隣であったか、誰が同じグループ(前後左右)にいたかを鮮明に覚えていて驚きます。介護職員初任者研修も実務者研修も同じです。それだけ初日は緊張して、どのような人たちがクラスにいるのか不安で、周りをよく観察しているからでしょう。そして、もうひとつ驚かされるのは、実は初日に隣や近くにいた人たちと仲良くなって、研修が終わったあとも良い関係が続いていることが多いという事実です。初日にたまたま座る場所が意外にも大切だということですね。

たしかに初日に近くに座ったことで、その後も同じような席に座って話す機会が多くなるという理由は考えられます。接触頻度が多ければ仲良くなる可能性は高くなりますし、そこで気が合う人であればなおさらです。とはいっても、初日に座った席にずっと座り続けるわけではありませんし、最初から最後まで固定されたメンバーで授業が行われるわけでもありません。

 

湘南ケアカレッジでは、たくさんのクラスメイトとグループワークをしたり、実技演習をしたりする機会を増やしたいと思っていますので、人間関係が偏らないよう、いつも同じ場所に座らないようにお願いをしています。初日から3日目ぐらいまで、「前回とは違う席に座ってください」と声掛けをしているのはそういうわけです。

 

また、実技演習が始まると、ランダムにグループ分けをしているので、毎回違ったメンバーと一緒に練習をすることになります。最初は違うメンバーに戸惑うかもしれませんが、良い人ばかりなので、自然と誰もが溶け込んでいけるはずです。こうして、最初は隣の人と、その次は前後左右、同じグループの人たちと同心円状に仲良くなり、最後はクラスメイト全員とつながって、輪が広がってゆくのが理想です。

 

それでも結局、初日に近くに座った人と特に仲良くなるのは不思議です。もしかすると、波長が合いそうな人たちが、初日から近くに座りやすいのではないかとさえ考えてしまいます。早く来て前の方に座りたい人はそのような人たちと波長が合い、目立たずに後ろの方に座りたいと思う人はそのような人たちと通じ合うものがあるのかもしれません。初日に近くに座ったから仲良くなるのか、仲良くなりそうな人たちが近くに座るのか、卵が先か鶏が先か分かりませんが、いずれにせよ初日にどこに座るかで人生が大きく変わってしまうこともあるということです。

 

 

さあ、3月からスタートする介護職員初任者研修や実務者研修の皆さまが、初日にどこに座って誰と出会うのか、今から楽しみです。