「まちだDサミット」に行ってきました!

桜美林大学にて開催された「まちだDサミット」に行ってきました。若年性認知症の当事者である丹野智文さんによる講演があるということで、どのような話が聞けるのかと興味津々で、楽しみに足を運びました。その他、認知症当事者たちによるパネルディスカッションもあり、大きな学びのある、素晴らしい内容でした。今日から町田が変わってゆく、という丹野さんの言葉は誇張ではなく、今日のサミットに参加したことが、認知症とどう関わるのかについて考えなおし、変わってゆくきっかけとなる人たちも多いのではないかと思います。

 

丹野さんは39歳の頃に若年性アルツハイマー病を発症しました。5年ほど前からその兆候はあり、物覚えが悪くなったことを何となく自覚し、仕事も上手く行かないことが多かったそうです。何度も検査を繰り返した結果、若年性アルツハイマー病と診断されてしまいました。その時は、若年性アルツハイマー病=終わりだと考えていました。しかしそれは終わりではなく、始まりだったのかもしれません。丹野さんは病気をオープンにしていくことで、偏見はほとんどなく、周りからのサポートを受けやすくなったと言います。偏見は実は自分の中にあり、まずは自分が変わっていかなければならないと思ったそうです。

 

認知症は薬と環境で改善すると丹野さんは主張します。最も大切なのは、周りの人々の接し方です。認知症の人はどうしても不安な気持ちになってしまうので、何かできないことを指摘されたり怒られたりすると、ちょっとしたことで自信をなくしてしまいます。自信を失ってしまうと、何かをしようという気持ちが薄れ、他者とのつながりにも消極的になってしまいます。そしてふさぎ込みがちになり、うつになっていくという人もいます。認知症の方々が自信を失わないことの大切さを、丹野さんは繰り返し説かれていました。

 

認知症は一見病気だと分かりづらい病気だからこそ、困ることもあるそうです。たとえば、自分への帰り方を忘れてしまったとき、道行く人に尋ねると、新手のセールスかナンパと勘違いされたり、変な人として見られたりすることもあるそうです。できるだけ周りの人たちがうける印象を良くしようと、丹野さんは積極的にあいさつをしたり、明るく振舞ったりするとのこと。また地域の人々とのつながりも大切だと言います。

 

 

最後に、認知症の人にとって優しい町とは?の問いに対しては、認知症の人だけに限った話ではないのですがと前置きをしたのち、それぞれに合ったサポートができるのが優しさではないかと提案されていました。何でもかんでもやってしまい、認知症のひとからできることを取り上げてしまうのは優しさではありません。たとえば、目の悪い人はそれぞれの程度があって、一人ひとり違う度のメガネが合うように、認知症の人にだってそれぞれ支援方法が違ってくるはずです。つまり、認知症の人に対してはこのようにするというやり方があるのではなく、その人ができることとできないことを見極め、できないところをサポートし、できることを生かしていければ良いですね。

 

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