捧げる幸せ

介護福祉士筆記試験の帰り道に、卒業生さんがケアカレの教室に立ち寄ってくれました。「ダメかもしれない。また来年頑張るよ」と、Mさんにしては珍しく、気落ちした様子でした。Mさんは73歳。ケアカレの介護福祉士合格者の最高齢記録を塗り替えようと、2年近く前からずっと勉強を重ねてきたことを知っていますので、私たちも何としても合格してもらいたいと応援していました。そこで悩んだ問題をもう1度一緒に考えてみたり、インターネット上にある解答速報を参考に自己採点してみたところ、合格ラインに乗っていそうだということが分かり、安心して帰途につかれました。

 

実はMさんの前に、ケアカレの介護福祉士合格者の最高齢記録を持つKさんがいました。70になる前に介護福祉士になりたいという願いを叶えるべく、介護福祉士筆記対策講座に参加してくださり、69歳の時に見事合格されました。KさんとMさんに共通しているのは、とにかく勉強の量が半端なかったことです。びっしりと書き込まれたノートが5、6冊に及ぶほど。そして、全5回ある筆記試験対策講座の授業の中で行われるミニテストや総合問題でも、クラスの中でトップの成績を挙げていました。勉強はまずは量だということが分かります。年齢や性別がどうこうではなく、何かにチャレンジしている卒業生さんたちを見ると、私たちも彼ら彼女たちに負けないように頑張らねばと刺激を与えてもらえます。

 

 

挑戦している生徒さんを支えるために、先生方も頑張って教えてくれました。それぞれの得意分野を教えてもらっていますが、新倉先生はより分かりやすくしようとスライドを工夫してくれたり、藤田先生は確認テスト問題を新しく組み替えて臨んでくれました。小野寺先生は過去問を精査して分かりやすい解き方を伝授してくれました。佐々木先生や望月先生は周到な準備のもと教えてくれ、授業が終わると大きな緊張感から解放されていたぐらいです。そして、今年もスコアカードにメッセージを添えてくれました。一人ひとりの生徒さんのことを想うことを体現してくれていると思います。

卒業生さんや先生方の姿を見ていて、何かに向かって自分を捧げることが幸せなのだと感じます。何もない平和な日常も素晴らしいけれど、やはり私たち人間は、何かを目指して挑戦することに生きている実感を得るのではないでしょうか。その過程こそが、充実して生きるということなのです。挑戦することには年齢も性別も関係がなく、自分自身の問題です。結果や現実は後からついてくるものであり、幸せという観点でいえばおまけみたいなもの。頑張らずに合格しても幸せの実感は薄いはずで、それならば頑張って不合格の方が、もう1度挑戦できると考えると、長い目で見ると幸せなのではないでしょうか。もちろん、ケアカレの卒業生さんたちには頑張って合格してもらいたいと心から願います。3月27日の合格祝賀会が楽しみです!