できない人を責めるよりも、できた人を褒めよう

先日、全身性障害者ガイドヘルパー養成研修が行われました。今年の春は1回のみの開催ということもあり、たくさんの方々が参加してくださいました。卒業生さんたちだけではなく、埼玉や小笠原諸島の母島からなど、初めてケアカレに来てくれた方も多く、実にフレンドリーで有機的なつながりのあるクラスになりました。心配された雨も全く降ることなく、まるで私たちが研修で外に出る時間だけを避けてくれたようでした。週中は90%の雨予報だったのに、皆さまの普段の行いが本当に良かったのでしょうね(笑)。「楽しかったです!」と言いながら帰って行かれる方が多く、私たちも自然と笑顔で見送らせていただきました。

 

今回の全身性障害者ガイドヘルパー養成研修はたった1日の研修であるにもかかわらず、ここまで誰もが楽しく学べて、仲良くなってもらえたのはなぜでしょうか。それは卒業生さんたちがほとんどであり、最初から距離感が近いということが第一に挙げられます。先生と生徒さん、または生徒さん同士が信頼し合っているということです。その雰囲気がスタートから教室に充満していて、ケアカレに来てくれたのが初めての生徒さんも何となく、リラックスして授業を受けて良いのだと感じたはずです。そんな空気はつくろうと思ってつくれるものではなく、またつくろうと思わなければ決してつくれないものです。

 

話は少し変わりますが、私は子どもたちの教育にたずさわっていた経験から、先生次第で教室の雰囲気は変わることを学びました。先生が発する言葉や態度を受けて、生徒さん一人ひとりの感じる空気が、教室全体の雰囲気をつくります。たとえ同じメンバーのクラスでも、先生が違うと全く異なる雰囲気になるのは、生徒さんは先生の合わせ鏡であるということを意味します。そして、それは先生の人柄というよりも、先生が生徒さんにどのようなアクションをするかということに大きく影響されるのです。

 

その1つとして、「できない生徒を責めるよりも、頑張った生徒を褒める」というシンプルな仕組みというかルールがあります。分かりやすく言うと、たとえば宿題を忘れて来た生徒を責めることには意味がなくて、宿題をやってきた生徒を褒めるということに時間を使うということです。しっかり座れていない生徒を注意するのであれば、その分、きちんと座れている生徒を認めることに意識を傾けることです。簡単なようですが、ほとんどの先生はこれができません。どうしてもできないことに目が行ってしまうからです。先生の意識ができないことに行くと、生徒さんの意識もそうなります。そこに信頼が生まれることはありませんし、良い雰囲気が生じることはありません。できていることを褒め、できている人を認めるだけで、生徒さんの意識は変わり、教室の空気は一変し、学校の雰囲気も良くなるのです。

 

 

☆全身性障害者ガイドヘルパー養成研修は、今秋10月と12月に開催予定です。しばらくお待ちください!