きっかけをつくる

4月からスタートした日曜日クラスが修了しました。ケアカレが始まって以来、もしかすると一番人数の少ないクラスだったかもしれません。大人数に慣れている先生方にとって、人数が少なすぎてもかえって教えにくかったり、生徒さんたちにとってもやや寂しい面もあるかなと心配していましたが、全くの杞憂に終わりました。生徒さんたちの声やアンケートを聞くと、クラスメイトの関係も良好で、先生方の情熱とユーモアがしっかりと伝わっていました。介護の現場で働いている生徒さんが多く、それぞれに熱い想いを持っていて、ケアカレに来たことでさらに情熱の火を大きく灯して卒業されていきました。

クラスメイト同士の心がぐっと近づいたきっかけのひとつとして、誕生日のお祝いがあったと思っています。湘南ケアカレッジは、研修のある日と誕生日がたまたま重なった生徒さんには、皆でハッピーバースデイの歌を歌い、誕生日ケーキを渡してお祝いをしています。めったにないことなので、本人も周りのクラスメイトさんたちも喜び、それを見ている私たちも嬉しく思います。今回は人数が少ないながらも、奇跡的にひとりの誕生日祝いができたことで、生徒さんたちは学校に対して心をより開き、それぞれの距離が縮まった気がしました。

 

この誕生日祝いは、私がかつて個別指導の塾で教えていたとき、その生徒さんの誕生日にカードを渡してお祝いしたところ、「ほんとうに嬉しい。いい塾だね!」と心から喜んでもらえたことをきっかけとしています。正直、そこまで喜んでもらえるとは思っていなかっただけに、(自分で祝っておきながら)驚いたのです。ケアカレではクラスメイト全員から祝ってもらえるだけに、その喜びはさらに大きいはずです。そして、本人だけではなく、周りのクラスメイトさんに対しても、良いことがあれば皆で喜びましょうとケアカレは思っているというメッセージを伝えることもできるのです。

 

それ以外にも、食事の授業でキャサリンという登場人物が現れたりします。生徒さんが良く言うのは、「あの授業で教室の雰囲気が一気にほぐれました」ということ。キャサリンは介護において工夫することの大切さを伝えると同時に、ケアカレは楽しく授業を受けて学んでもらいたいと思っているというメッセージも伝えているのです。

 

 

このようなイベントは人の心を大きく動かすきっかけとなります。生徒さんたちに対する私たちの声掛けの一つひとつが、少しずつ人の心を変えていくとすれば、このような大きなイベントは人々の心に強烈な印象を与え、記憶にも残っていきます。どちらかが大切ということではなく、小さいことから大きなことまで、できる限りのきっかけづくりをして、最後にはケアカレに来て良かったと思って卒業してくれる生徒さんが一人でも増えると幸いです。そうすることで、湘南ケアカレッジの未来も広がり、介護の世界を明るく照らすことができるはずです。