毎日がブランニューデイ

先月、卒業生さんが熱中症で亡くなったとの訃報を受けました。たまたま9月5日から始まる実務者研修を申し込んでくれていたところで、彼の所属している法人から連絡をいただいて知りました。私の知る限りにおいて、湘南ケアカレッジが2013年に開校してから数名の卒業生さんの訃報を受けており、しかも彼ら彼女らは決して高齢ということではありません。癌であったり、脳出血であったりと様々ですが、人の命は有限であり、死はいつ誰の身に訪れても不思議ではないという思いを強くします。

 

彼がケアカレに来てくれたのは、今から4年前の春でした。勤めている会社でイベントの運営などをしながらも、障害者のグループホームを立ち上げるとのことで、介護職員初任者研修を受けに来てくれました。どこからどう見てもガテン系でしたが、話してみるととても優しくて、シャイなところはありますが、誰からも頼られる誠実な人柄だったと思います。

 

実は、ケアカレの事務所を移転するときの引っ越しを手伝ってもらったこともあり、たまにこちらから仕事のお願いの電話をしたり、彼から「村山さん、村山さん」と電話を掛けてもらうこともありました。途中、脳こうそくで入院して大変なこともありましたが、ようやく実務者研修まで受けに来るところまで回復しただけに、このような結果になってしまったことを残念です。ご冥福をお祈りいたします。

 

私の好きな故忌野清志郎さんというシンガーがいます。彼も比較的若くして亡くなったのですが、癌からステージに復帰した頃、たまたまライブに行ったことがありました。それまでは忌野清志郎さんの名前や曲は知っていたのですが、ファンではありませんでした。チケットが手に入ったということで友人に誘われ、小さなライブハウスで忌野清志郎さんの圧倒的なパフォーマンスを体験したことで、まさに言葉どおり魅せられてしまったのです。

 

そのライブにて歌われた曲の中で、最も忌野清志郎さんが心を込めて歌い、最も私の心に響いたのが「毎日がブランニューデイ」という曲でした。あのライブの数か月後に、癌が再発して亡くなったことを考えると、忌野清志郎さんがどのような気持ちでこの歌を歌っていたのか、少しだけ想像がつくような気がします。

 

 

介護職員初任者研修や実務者研修の卒業生さんたちとは、一期一会だという感覚を持っていますが、今回のようなことがあると、よりその想いを強くします。縁あって湘南ケアカレッジに来てくれた生徒さんと、せめて学校にいるときぐらいは毎日、新しい気持ちで、人間同士として、良い時間を少しでも長く過ごしたいですね。最近、生徒さんと個人的につながることが少なくなってきているなと反省の意を込めて、そう思います。