得意なところを

湘南ケアカレッジの先生方を評して、ある生徒さんが面白いことを言っていました。

 

「佐々木先生や橘川先生はひとり一人を個別に見てくれるタイプで、小野寺先生や望月先生は全体を見るタイプかな」。

 

 

たった15日間しか授業を受けていないにもかかわらず、実によく見ているなと感心させられたと共に、生徒さんは良く見ているのだと背筋が伸びました(笑)。まさにその通りで、ケアカレの先生方はそれぞれに得意分野があります。生徒さん一人ひとりを良く見て、声掛けをしてサポートしていく個別タイプ、クラス全員を盛り上げて、まとめて指導することができる全体タイプです。決して個別タイプがクラス全体を導けないかというとそうではなく、全体タイプがひとり一人を見ていないかというとそうではありません。先生の個性として、特にどちらの分野に強くて、生徒さんたちに良い影響を与えているかどうかということです。

他の先生で言うと、阿波加先生や嶋田先生、野田先生、村井先生、新倉先生、尾形先生は個別タイプ、藤田先生や奥先生、千種先生は全体タイプだと思います。そしてご覧のように、湘南ケアカレッジとしての強みは、先生方のタイプが違い、そのバランスが上手く取れているということですね。

 

私は子どもの教育に携わっていたことがあり、いわゆる塾というものですが、塾にも集団と個別があります。集団とは先生ひとりが多くの人数の生徒さんに対して授業をすること、個別は先生ひとりが生徒さん1人(もしくは2人)に対して指導をすることです。そして、塾の先生の中でも、集団授業が得意な先生もいれば、個別指導が得意な先生もいます。集団の授業ができれば個別指導は簡単だと思われがちですが、意外とそうではなく、たとえば個別指導は生徒さんの表情を読み取ったり、理解していないところを細かく見分けたりする能力が必要になります。また逆に個別指導が上手であっても、集団を相手に伝えるためには別のスキルが必要になるため、集団授業は苦手という先生もいます。まれにどちらも使い分けることができる先生もいますが、ほとんどはどちらかに偏っているのが実状です。ちなみに、私は個別指導の方が得意でした。

 

 

介護の現場においても、同じようなことが当てはまるかもしれません。利用者さんを個別にケアしていくのが得意な職員さんもいれば、施設全体を見渡して、利用者さんを盛り上げたり、スタッフをまとめたりするのが得意な職員さんもいるはずです。大切なことは、その人の得意な分野を見極めて、タイプを知った上で、得意なところをより生かしてもらえるような役割を担ってもらうことです。さらにその施設・事業所における個別タイプと全体タイプのバランスも大切かもしれません。タイプが偏った人たちばかりを集めてしまうと、お互いの得意なところを活かすことができなくなり、全体としてはバランスを欠いてしまうことになります。どちらかのタイプしかいないということはあり得ないので、職場の配属を考えるときには、個別タイプと全体タイプのバランスを考えて配置していくことが大切ですね。