7月短期クラスが修了しました。夏休みのクラスだけあって、とても元気で活気のあるクラスでした。とはいえ、授業が始まると、聞くべきところはしっかり聞くというメリハリのある雰囲気で楽しかったですね。研修の最終日には、久しぶりにメッセージ入りボードをプレゼントしてもらいました。コロナ禍で生徒さん同士、生徒さんと先生、そして学校との距離感が微妙にこれまでとは違ってしまうことを心配してきましたが、少し安心しました。リーダーシップを取ってくれたYさんには心から感謝します。あとから良く見て分かったのですが、7月短期クラスのロゴもオシャレですし、絵具を吹きつけてつくられた下地も手が込んでいて、これから迎える秋の間、ずっと鑑賞していられそうな美しさです。それからIさんからは歌舞伎座のどら焼きをいただき、大変美味しかったです。ありがとうございました。
研修修了後の打ち上げにて、「アンケートやリアクションペーパーに、裏のテーマについて生徒さんが書いてくれていると、伝わったんだなと思う」と藤田先生がおっしゃっていて、なるほどと思いました。どういうことかというと、その分野や科目に対する知識・技術を教えるのはあくまでも表面的な話で、実はそれらを教えることを通して、もっと深いテーマが生徒さんに伝わるのが理想だという話です。たとえば、医療的ケアの授業で言うと、口腔鼻腔からの痰吸引や胃瘻に関する知識・技術を教えることを通して、実はフィードフォワード(まずは褒め・認める)の大切さを伝えるという2階建てになっているということです。知識・技術だけを教えるだけでも簡単ではありませんが、さらにその先を考えているのはさすがですね。
先生の本来の役割は裏のテーマを伝えることだと私も思います。知識・技術はテキストを読めば分かってしまうものなので(インターネットにもたくさんの知識・技術がありますし)、知識・技術だけを教えるだけでは物足りないのです。表面的には知識・技術を教えているように見えて、気づかないうちに生徒さんたちには裏のテーマがきちんと伝わると、生徒さんたちは学びが大きいと感じ、満足度が高く、先生方が好きになるのです。無意識のうちに裏のテーマが伝わっている場合もあるのですが、意識的に裏のテーマを設定して、授業を設計することができると、よりゴールにたどり着きやすくなると思います。
そう考えると、ケアカレの先生方の授業にはそれぞれに裏のテーマがありますね。望月先生であれば相手に寄り添う思いやりや愛情、佐々木先生であれば人が人を想うこと、新倉先生であれば(親子で)学ぶことの大切さ、奥先生であれば在宅で生きる(亡くなる)素晴らしさ、阿波加先生であれば笑顔で受容すること、小野寺先生であれば介護の楽しさや情熱、そしてチームワーク、橘川先生は心配りと褒め・認めの大切さ、嶋田先生であれば訪問介護の仕事のやりがいや楽しさ、村井先生であれば病気や障害を自分の身に置き替えてみることで健康の大切を知ること、野田先生であれば相手を観察することの重要性、千種先生であれば同行援護の仕事の専門性の高さ、尾形先生であれば視覚障害のある利用者さんの世界の多様性を知る楽しさ、などなど。勝手なことを書いてしまいましたが、生徒さんたちの生の声を聞いていてもそう思います。
先生方のそれぞれの裏テーマが響き合って、介護職員初任者研修や実務者研修、同行援護従業者養成研修などの研修が、ひとつの体験として生徒さんたちに伝わっているのです。研修が終わって、具体的な知識・技術が学べて良かったと言う生徒さんはほとんどいませんが、彼ら彼女たちには言葉にはならない何かが伝わっているはずです。
先日、見学に来て申し込んでくださった方が、「相模原のハローワークに行ったら、職員の方にここを勧められました。ケアカレの卒業生さんがハローワークに行って、良かったと言う声を多く聞いているので、良い学校なのだと思いますと教えてくださいました」と言っていました。それを聞いたときは、嬉しかったですね。私たちが伝えたいテーマは確実に生徒さんたちに伝わって、それは言葉では表せないからこそ、より一層、人の心から人の心へと伝わっている気がします。ありがとうございます。