感情が動くから行動する

先日、実務者研修の医療的ケアの課題の返却に立ち会うことができました。そのクラスは満点はいませんでしたが、最高点の97点を取った4名の生徒さんたちが名前を呼ばれて、表彰されていました。そのうちの一人から、翌々日ぐらいに電話があり、「来年の介護福祉士の筆記試験対策講座に申し込みたい」と言ってもらえました。7月ぐらいから募集を開始する旨を伝えつつ、お席は確保しておくことになりました。私はこの一連の流れを実際に見て、褒め・認めの効果の大きさを改めて感じたのです。彼女の場合は、頑張って取り組んだ医療的ケアの課題が良くできて、((他の生徒さんたちの前で)褒め、認められたことで自信がついて、介護福祉士の筆記試験も頑張って挑戦しようとモチベーションが上がったのだと思います。そう、褒め、認められたことで、感情が動いたのです。

 

感情が動いたといえば、誕生日のお祝いも同じです。1期生の渡辺さんがたまたまスクーリングの最中に誕生日であったことから、湘南ケアカレッジでは誕生日ケーキを贈りながらハッピーバースデーソングを皆で歌い、喜びを分かち合うイベントが誕生しました。多くの人々の前で誕生日を祝ってもらうなんて生まれて初めてであり、嬉しい反面恥ずかしいという気持ちも分かりますが、祝ってもらった本人はもちろん、祝った周りの生徒さんたちにとっても、いつまでも語り継がれるイベントであることは、卒業生さんたちと話していると分かります。「まさか全員に祝ってもらえるとは思わなかった」、「あのとき、素晴らしい学校だと思いましたね」と言ってもらえるからです。

 

効果はそれだけではありません。他のステップアップ研修の申込受付をしていると実感として分かるのですが、誕生日祝いをしてもらった生徒さんの申込率は極めて高いのです。誕生日を祝ってもらったから、そのお礼にステップアップ研修を申し込もうと思ったわけではなく、自分の誕生日を祝ってもらったケアカレという学校や先生方のことが好きになり、もっとケアカレで学びたいと考えてステップアップ研修を申し込んでくれるのだと思います。ステップアップ研修を受けると役に立つ資格がもらえて…といった具合に理詰めで受講を決めているわけではなく、湘南ケアカレッジでもっと学びたいという感情が行動につながっているということです。

 

 

私たちは感情が動くから行動する。逆に言うと、感情を動かすことができなければ、行動してもらうことはできないということです。ここに教育であり、マーケティングや学校経営のヒントがあります。私たちが普段当たり前のようになってしまっている褒め・認め、表彰やイベントが、どれだけ生徒さんたちにとっては一回性であり、生徒さんたちの感情を動かしているのか、さらに感情が動くことがどのような行動に結びつくのかを知っておくべきですね。相手の感情を動かすためには、相手の立場に立ってみて、全体的な視点で見てみることです。そうすると、実はこちらの言動をまずは変えていくことが大事であることに気づくのです。