オリンピックのようなクラス

4月日曜クラスが無事に修了しました。フィリピン、スペイン、ペルー、中国、アメリカなど、外国の方が多く参加してくれて、まるでオリンピックのような国際色豊かなクラスでした。数えてみると、3分の1が外国の方という珍しい構成でした。年齢や性別だけではなく、国境を越えて介護について共に学びました。多少の言葉の壁があったとしても、人が人を想い、相手にとって何が幸せかを考えながらケアをすることに国籍は関係がないのですね。これから先、おそらく介護の現場にも外国の方は増えてくるはずで、今回のクラスメイトの皆さんは、とても貴重な体験をしたのではないでしょうか。研修の最後には、それぞれの国旗が散りばめられた、可愛らしいメッセージボードを贈ってもらいました。ありがとうございます。

振り返ってみると、生徒さんたちから色紙やメッセージボードを学校に贈っていただく文化は、介護職員初任者研修の第1期生から生まれました。私たち湘南ケアカレッジにとっても初めての研修に参加してくれた生徒さんたちが、勇気を持って感謝の気持ちを形にしてくれたことが、こうして今回の126期生まで続いているのです。今や講師席にも事務所にも所狭しと飾ってあるので、ある種の圧力になってしまっているのかもしれませんが(笑)、決してやらせではありません。何かの仕掛けをほどこしたわけではなく、声掛けをしたわけでもなく、生徒さんたちが自分たちの意思でメッセージを書いて、ボードの形にまとめてプレゼントしてくれたのです。

 

そもそも、こういうものは作ってもらうようにお願いするものではなく、生徒さんたちの間にそういう気持ちが生まれるかどうかが大切なのだと思います。「他の学校でこうしたものを見たことがない」と小野寺先生はおっしゃいますし、私も大手の介護スクールで働いていたとき、神奈川エリアの20教室を5年間見てきましたが、たしかに一度もそうしたものを見たことはありませんでした。それぐらい、色紙やメッセージボードを生徒さんたちがつくって、学校や先生方に贈る行為のハードルは高いのです。なぜかというと、そうしなくてもつつがなく修了することができるわけですし、誰から責められることもありません。そんな中でこうしてメッセージボードをつくってくださるのは、感謝の気持ちを形にして伝えたいという純粋な主体性以外の何ものでもないのです。

 

 

お金を払った分は取り返そうというギブ&テイクの関係ではなく、生徒さんたちと学校や先生方がギブ&ギブの関係にあるからこそ、色紙やメッセージボードを贈るという現象が起こるのだと私は思います。より安く、より多くを求める今の経済システムの中、お互いが与え合う関係になるのは極めて難しいことですが、サービスを提供する側とされる側が奪い合う関係を超えて、まさにオリンピックのようなスポーツマンシップが生まれているのです。