決めつけない

9月、10月からスタートした実務者研修の3つのクラスが立て続けに修了しました。実務者研修はわずか7日間しかなく、15日間の初任者研修と比べると、これから生徒さん同士が仲良くなって盛り上がっていく手前で終わってしまう残念さはあります。それでも与えられた時間なりに、生徒さんたちも先生方も盛り上げてくれて、どのクラスも良い雰囲気で終わることができて安心しました。なんと木曜日クラスは研修の最後に色紙とお菓子を贈ってくれて、驚かされました。なぜ驚いたかというと、実務者研修は初任者研修と比べて色紙やメッセージボードをつくるクラスが少ないのと、特に1か月に一度のペースで通学する木曜日クラスからは今までいただいたことがなかったからです。

研修の最後に色紙やメッセージボードをつくって、学校に贈ってくれるという現象が起こるためには、いくつかの条件が重なることが必要になると思っています。

 

・クラスメイト全体の仲が良い

・先生や学校との距離感が近い

・皆でつくろうと勇気を出して声をかける発起人がいる

・音頭を取って取りまとめるリーダーがいる

・それをサポートする仲間がいる

 

上の5つの条件のどれかが欠けても、色紙やメッセージボードという形にはならないでしょう。それぞれの生徒さんたちは、先生方に感謝の気持ちを形にして伝えたい、自分たちがケアカレで一緒に学んだ大切な時間を形にして残したいと思っても、クラスメイトの気持ちがひとつにならなければ決して実現しないのです。あくまでも自然発生的に起こることですから、実現するクラスもあればそうではないクラスもあり、初任者研修に比べて期間が短い実務者研修において、上の5条件が満たされるのは意外と難しいということです。

 

だからというか、まさか今回、実務者研修の木曜クラスから色紙をいただくとは思っていませんでした。木曜日クラスは月に1度の通学ということで、授業ごとの間隔が開いているため、生徒さん同士の関係性が築きにくいということもあって、正直に言うと全くの想定外でした。いつもは最後の授業あたりで、生徒さんたちが色紙を回していたり、メッセージを書いて回収していたりする姿を目にするのですが、今回ばかりは、いつ皆でつくったのか気づかなかったほどです。自分には木曜クラスのことが見えていなかったし、決めつけてしまうと本当の姿が見えなくなることを改めて教えてもらいました。

 

教育にたずさわる人にとって、最も良くないことは決めつけてしまうことです。この人はこういう人だと決めつけてしまうと、そのようにしか見えなくなり、その人の可能性を狭めてしまうのはもちろんのこと、自分自身の幅も広がりません。なぜこのようなことを書くかというと、私たちはどうしても教える―教えられるという関係性の中で、相手のことをこういう人だ、これはできるけどこれはできないなどと把握することが求められ、その中でいつのまにか自分の色眼鏡で他者を見てしまうことが多いからです。私たちにできることは、たまには自分の色眼鏡を外して、決めつけないことを意識することです。もしかすると実はこういう良い面があるかもしれない、あれはできるかもしれない、などと考えてみることで、相手の可能性を広げるだけではなく、自分の思考の世界の幅を広げていくことにもつながるのではないでしょうか。

 

 

木曜日クラスの皆さま、色紙を贈っていただいてありがとうございます。一人ひとりからのメッセージを大切に読ませてもらいましたよ!