あけましておめでとうございます。おかげさまで、湘南ケアカレッジは今年で10年目を迎えることになりました。いわゆる10周年というやつです。100年続く学校を本気で目指していますので、まだ折り返し地点にも立っていないのですが、がむしゃらにやってきたら10年も経ってしまったというのが正直な感想です。介護職員初任者研修は3500人ぐらい、実務者研修は2000人以上が卒業し、重複している生徒さんもいますので、およそ4000人の卒業生が誕生したということになります。ただの4000人ではなく、一人ひとりの生徒さんたちに先生方が一生懸命に教えてくださった4000人を誇りに思います。
今年の、いやこれからの湘南ケアカレッジのテーマとしては、少しずつ大きく変わることでしょうか。今まで積み上げてきた大切なものをしっかりと守りながら、小さな改善や変化を積み重ねていって、気づいた頃には大きく変わっていることを目標としたいと思います。そのためには、何を変えずに、何を変えるのかを考えなければいけません。何を守って何を壊すのか、または何を残して何を捨てるのか。全てを守り(残し)つつ何かを取り入れることができれば最高ですが、時間は有限ですし、人間はそんなに器用ではありません。残念ながら取捨選択をせざるをえないのです。
たとえば、学校の研修として何を残すべきかを考えるとき、以下の視点が大切になります。
・生徒さんは満足しているか?
・先生方も楽しめているか?
・生徒さんが集まっているか?
・継続的に行うことができるか?
・正しいことをしているか?
何よりも大切なのは、当然のことながら、一番上の「生徒さんは満足しているか?」です。どれだけ社会的なニーズがあって、研修を行えば生徒さんが毎回集まり、先生方も教えたことで納得していたとしても、生徒さんたちに「来て良かった」と思ってもらえなければ意味がありません。介護・福祉に関する研修は、資格を取らなければならないものがありますので、満足度が低くても生徒さんは集まることがあるので要注意なのです。生徒さんたちの満足度を知るためには、研修の中でアンケートを取ったり、研修後にヒアリングをしてみたり、なんといっても研修中に生徒さんたちが笑顔でいるかどうかを見ることが判断材料になります。
「先生方も楽しめているか?」は、生徒さんの満足度と密接な関係性があるため、生徒さんたちが満足して笑顔であれば、先生方もやりがいを感じることができます。その逆もしかりで、先生方が生き生きと教えてくれたら、生徒さんたちも楽しいと思ってくれるはずです。ただ例外的に、先生だけは教え甲斐を感じて教えてくれているけれど、教え方が上手くなかったり、褒め・認めがなかったり、自分が教えたいことだけを教えていたりする場合は、先生だけが楽しんでいる授業というものも存在します。それでも、先生方が自身の能力をフルに発揮して、気持ち良く授業ができているかどうかは、学校にとって極めて大切なことです。
生徒さんも先生も満足していても、人が集まらない研修はダメです(笑)。これは「継続性があるか?」とも関係してくるのですが、なかなか人が集まらない、つまりニーズのない研修は続けていくことができません。商売として、またはモチベーション的にということです。だからこそ、やるからには人を集める努力もしなければいけません。それでも人が集まるかどうかは時代の流れによるところも多く、人が集まりにくい(ニーズの少ない)研修は時には開催しない判断も必要になるということです。また、人を集めるためにお金がかかりすぎたり、開催するのに人手や時間が膨大であったりすると、続けていくことが困難になります。コストがかかりすぎる研修は良くないということです。
最後の「正しいことをしているか?」に関しては、完全に個人的な考えではありますが、上記の条件を全て満たしていたとしても、正しくないことをしているのであれば意味がありません。むしろ多くの人たちが巻き込まれてしまう分、勇気を持ってやらないという判断が必要になりますね。そんなことないでしょと思われるかもしれませんが、世の中には意外と多いのですよ、ニーズもあって満足度も高いけど正しくないことって。長い目でみると、正しくないことを行うと自分たちの心を壊してしまうので、私はというか、湘南ケアカレッジはやりません。
このような視点を持って、何を変えずに何を変えるべきかを考え、今年は新しい研修をひとつでも開催してみたいと思います。実際はやってみないと分からないことの方が多いのですが、生徒さんたちに満足してもらえて、先生方も楽しんでくれて、人がたくさん集まってくれて、ずっと続けて行くことができて、正しい方向性を持った研修をつくりたいですね。卒業生の皆さま、先生方、そしてこれから湘南ケアカレッジに来てくださる生徒の皆さま、今年もよろしくお願いします!