明けましておめでとうございます。新年の抱負を語りたいところですが、昨年末の話をさせてください。最後の実務者研修(8月木曜クラス)が無事に終わり、このクラスは11名でスタートし、2人が途中でリタイアしてしまったこともあり、最後は9名のクラスになってしまいました。これだけ人数が少ないと、やはり盛り上がりには欠けるため、静かな雰囲気になってしまいます。それでも皆さん一生懸命に取り組んでくださって、医療的ケアの授業もつつがなく修了しました。そして最後の挨拶のとき、特に藤田先生が「今日は飲み会がないし、連絡先も交換していないみたいだけど、最後にみんなでLINEを交換して帰ってよね。1億数千万人のうちの9名がこうして同じクラスで出会ったんだから、つながりを大事にしてほしいな」と気障なことを言いながらけしかけてくれました。
修了証明書を渡したあと、皆が帰り支度を始め、それでも連絡先を交換しようとしないのを見て、私はやきもきしていました(笑)。せっかく藤田先生があれだけ言ってくれたのに…と思いつつ、別に強制することではないので静観していると、しばらくしてひとりが近くのひとりとLINEを交換するような仕草を見せると、他のクラスメイトさんたちも寄ってきて、最後は全員で楽しそうにグループをつくっていました。それを見て安心したと同時に、やっぱり言ってみるもんなんだなと感じました。むしろ言わないと始まらなかったのではないでしょうか。LINEを交換したからつながるとは限りませんが、交換していなければ連絡の取りようもなく、もう2度と会わない同士になっていたはずです。大人なんだから自分たちの意志と責任で、と任せてしまうだけでは生まれなかったつながりを私は目にしたのです。
湘南ケアカレッジのクラスメイト同士が何らかの形でつながることは、学校にとっても他の何にも代えがたい価値を持ちます。湘南ケアカレッジという場をきっかけとして出会った仲間がつながっている以上、その思い出の中には湘南ケアカレッジが残り続けるからです。一昨年の8月日曜日クラスの卒業生さんたちは、今でも月1ぐらいのペースで(お昼に)飲み会をしたり、クラスメイトのひとりがウクレレを演奏していて、そのイベントを手伝ったりして集まっています。もちろんどのクラスもそうではなく、つながりが自然消滅してしまったクラスも多いでしょうし、個人同士ではつながっているけどグループLINEは動いていないというクラスもあるでしょう。それでも話を聞く限りは、私たちが思っている以上につながりは残っていて、特に実務者研修は働いている人たちがほとんどであるがゆえに、互いの気持ちが分かったり、情報共有としてもつながりを深めているクラスが多いようです。
卒業生さんたちの集まりに参加するたびにそう感じますし、町田でランチしてそのあとケアカレに立ち寄ってくださる卒業生さんたちと話すたびにつながりの価値を確信します。それは懐かしいとかまた来てくれて嬉しいとかそういう情緒的な意味だけではなく、実際に卒業生さんたちのつながりは学校の利益にも大きく貢献してくれるのです。たとえ介護職員初任者と実務者研修等を取り終わって、もうケアカレに来る機会がなかったとしても、卒業生同士がつながっていることでケアカレは消えないのです。記憶から消えないことは大事で、完全に忘れられてしまうと何か新しいことをしたときにも反応してくれなくなってしまいます。
湘南ケアカレッジの理念は「世界観が変わる福祉教育を提供する」ことですが、その先にはその世界観を共有する卒業生のつながりを作って、深めていくというミッションがあるはずです。そうした利他的な行為は自分たちのためでもあるということですね。来年はそのあたりも意識して、学校と卒業生のつながり、卒業生さん同士のつながりを積極的につくる働きかけをしていきたいと考えています。今年も1年、よろしくお願いします!