クラスメイトの絆

介護職員初任者研修は年齢層も10代から70代までと幅が広く、あらゆる背景を持った人たちが集まり、共に学びます。15日間も一緒に過ごすと、仲間意識が生まれます。最後には皆さんがひとつになって学んでいる姿を見て、これが介護職員初任者研修だなと感じます。7日間しかない実務者研修や他の短い期間の研修にはない、生徒さん同士の絆が生まれるのです。

 

それでも、あるクラスは最終日まで全員がお互いの連絡先を交換することができなかったようで、あとから「連絡取れないですかね?」と言いに来てくださった生徒さんがいました。最終日にクラス全員のLINEグループをつくろうと思っていたけれど、皆さん筆記試験の勉強に集中しており、試験に受かった後には声をかけるタイミングを逸してしまったとのこと。

 

それでもクラスメイトと改めてつながりたいという気持ちがあって、相談に来てくれたのです。個人情報の観点から、他の生徒さんの連絡先を教えることができませんが、おそらく他の皆さんも同じ気持ちではないかと思い、今回は特別に仲介をすることにしました。

 

その申し出てくださった生徒さんのメールアドレスを以下の文面に添えて、卒業してしまった生徒さんたちに学校から送りました。

 

181期生の皆さま

卒業おめでとうございます。それぞれが新しい道へと進んで、新しい環境で頑張っておられることと思います。同じクラスのFさんから、「4月短期クラスの皆さんとLINEグループ」をつくりたいという申し出があり、こうしてお手紙を送らせていただいております。せっかくの縁ですから、よろしければFさんのメールアドレスに連絡していただき、LINEを交換してグループに入ってみてください。介護の仕事を始めると、職場では言えないことや聞けないことがあって、横のつながりが大切になってくることもあります。皆さまが長くつながってくださることを願っています。

 

 

それとは行き違いに、振り替えで次のクラスで修了した生徒さんも帰り際に、「いつか4月短期クラスの皆さんと飲み会をしたいなと思っているんです」とおっしゃっていました。やはり思いは同じだったかと嬉しくなり、先日申し出をしてくださった生徒さんに彼から承諾を得て連絡先を送り、その場でつなぐことに成功しました。一度は途切れたつながりが、少しずつ回復していく様子を目の前にして、改めて人と人の縁の大切さを感じました。こんなことを言っては怒られるかもしれませんが、介護職員初任者研修で学んだことの大半は忘れてしまっても、その中で得た縁やつながりが残ればそれで良いのです。